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徹底ネタバレ解説!『オペラ座の怪人』原作小説のあらすじから結末まで!

オペラ座の怪人 (角川文庫)

 

十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影…“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか?オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは?そして怪人と歌姫の真実とは?不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行。

【「BOOK」データベースより】

 

今から百年以上前に出版された本書。

これを原作として数多くの映画、ミュージカルなどが作られていて、僕は高校生の時、英語の教材で使用していて、とても思い入れの強い作品でもあります。

 

また本書は十九世紀のパリ国立オペラで起こったことを基にしていると言われ、それが読者の想像力により拍車をかけます。

まさにロマンが詰まった名作です。

 

映画やミュージカルとはおそらく内容が違うと思いますので、そこも楽しんでもらえれば幸いです。

 

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

怪人の噂

 

オペラ座では、数か月前から怪人が出現するという噂で持ち切りでした。

黒い燕尾服を着こんだ紳士で、どこからともなく現れ、消える。

 

 その顔は髑髏のようにガリガリで、誰もが恐れつつも、興味を隠せませんでした。

噂をしていると、舞台の地下で大道具主任のジョゼフ・ビュケが首をつって死んでいるのが発見されます。

 

さらに遺体のあたりでは死人の合唱のような歌声が聞こえたと何人も証言していて、誰もが怪人の仕業だと騒ぎます。

 

 

新たな歌姫の誕生

 

その夜、ガラ・コンサートにて、クリスティーヌ・ダーエが衝撃的なデビューを果たします。

彼女は病気で休演したカルロッタの代役を務めただけでしたが、その名演技に会場にいた誰もが酔いしれます。

 

会場には彼女の幼馴染みであるラウル・ド・シャニーもいて、彼はその名演技を見て、彼女への愛を思い出します。

しかし、クリスティーヌはコンサートが終わるといかにも体調が悪そうで、ラウルや医師が心配しますが、彼女は一人になりたいといって自分の部屋に閉じこもります。

 

ラウルは自分と二人きりになりたいからではと思い、彼女の部屋に行きますが、部屋の中から彼女の声以外に、男の声がします。

まるで恋人のような会話に愕然とするラウルですが、やがて部屋から出てきたのはクリスティーヌ一人だけで、中には誰もいませんでした。

 

 

奇妙な職務規定

 

この時、オペラ座は支配人の交代のタイミングを迎えますが、旧支配人から新支配人への引き継ぎの際に、オペラ座の怪人からの奇妙な要求に関する職務規定があることが判明します。

そこには毎月、多額の給料をオペラ座の怪人に対して支払うこと、五番のボックス席はオペラ座の怪人用とすること、とあります。

 

新しい二人の支配人はこの規定を無視しようとしますが、その度に怪人から忠告ともとれる手紙が届き、さらにクリスティーヌを起用するよう指示されます。

このままではいけないと思った支配人たちは、調査に乗り出します。

 

五番のボックス席は常に空席ですが、案内係は怪人の声が聞こえると彼の存在を当たり前に認めていました。

しかし、支配人たちは何かの冗談だと信じず、怪人の意に反して数日後、『ファウスト』を上演した際、主役にクリスティーヌではなくカルロッタを起用します。

 

ところが、上演中に悲劇が起きます。

これまで音を外すことなどなかったカルロッタの口から、ヒキガエルのような『ゲコッ』という声が出てしまい、会場は騒然とします。

 

さらに巨大なシャンデリアが落下し、大勢の怪我人と一人の死亡者を出す事態となってしまいます。

支配人たちは、怪人の仕業だと怯えるのでした。

 

 

 

音楽の天使

 

ある時、クリスティーヌは意を決してラウルに打ち明けます。

自分は音楽の天使の声を聞いただけでなく、彼は毎日、楽屋に来て教えてくれるのだと。

 

ラウルが前に聞いた声は、音楽の天使のものでした。

しかし、探しても誰もいなかったため、ラウルには音楽の天使が実在するなど信じられませんでした。

 

それでも怪人は確かに実在し、クリスティーヌは怪人にさらわれ、彼の住むオペラ座の地下に連れて行かれます。

怪人はエリックと名乗り、二人で数日間過ごしますが、ある時、クリスティーヌはエリックの仮面を剥ぎ取り、隠された本当の顔を見てしまいます。

 

その顔はミイラのように醜く、クリスティーヌは見てしまったことを後悔します。

一方、素顔を見られたエリックは、彼女を妻として永遠に自分のものにしたいと決心しますが、彼女に地下室から出たいと言われます。

 

そこでエリックは金色の指輪を渡し、いつでもつけること、そして自分を裏切らないことを条件にクリスティーヌを解放します。

一方、ラウルはクリスティーヌを独占する音楽の天使に嫉妬し、正体を突き止めようと躍起になっていました。

 

そこでラウルは、クリスティーヌからオペラ座の怪人はエリックという名前で、音楽の天使であることを教えられます。

それを聞いたラウルは、クリスティーヌをエリックが二度と見つけられないようかくまうことを約束します。

 

そうして二人は明日の夜中の十二時に逃げ出すことを決めますが、それが実現することはありませんでした。

 

 

消えたクリスティーヌ

 

逃げるはずだった日の舞台で、場内が突然真っ暗になり、再び明るくなるとクリスティーヌの姿が消えてしまいます。

ラウルは必死になって彼女の行方を追いますが、謎のペルシャ人が現れ、彼らはこのオペラ座にいるといいます。

 

ペルシャ人は、エリックに会話を聞かれないよう注意しながらクリスティーヌの楽屋に入り、そこにある鏡を押してオペラ座の地下に潜入します。

慎重に進み、やがて二人は拷問部屋に辿り着きます。

 

そこは六面の壁が全て鏡で囲まれた部屋で、エリックとクリスティーヌが言い争う声が聞こえます。

この時点で、エリックは二人が忍び込んだことに気が付いていません。

 

しかし、 やがてエリックは二人が拷問部屋にいることに気が付き、電気暖房装置をつけます。

次第に拷問部屋の温度はぐんぐん上昇し、ラウルとペルシャ人を苦しめます。

 

二人は気を保ちながら出口を捜そうと努力し、やがてペルシャ人は地下への入口を見つけ、二人はそこに避難します。

そこにはたくさんの樽が置かれていましたが、中は水ではなく、大量の火薬でした。

 

エリックはクリスティーヌに求婚し、もし断られればこの火薬を使ってオペラ座ごと爆破しようと考えていたのです。

クリスティーヌはラウルたちを助けるために求婚を受け入れますが、エリックは地下に大量の水を流し、ラウルたちを殺害しようとします。

 

しかし、クリスティーヌは生きながらエリックの妻になることを誓い、エリックは二人を救出。

ペルシャ人は地上に送り届け、ラウルは人質として地下に監禁します。

 

 

結末

 

そして、エリックは生まれて初めて、女性からキスをされます。

そこで本当の愛を知り、二人を解放します。

 

その後、エリックはペルシャ人のもとを訪れ、事の顛末を伝え、自分は死ぬことを伝えます。

そして自分の死亡を新聞社に伝えてほしいとお願いし、ペルシャ人はその通りにします。

 

その後、新聞の死亡通知欄にエリックの死亡が載るのでした。

またクリスティーヌはエリックとの約束の通り、彼の隠れ家を訪れ、彼の死体を埋葬し、そこになくして彼が拾ってくれた金の指輪を一緒に埋めるのでした。

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

本筋だけを簡単にまとめましたが、本書には本筋とは関係ないエピソードもたくさん収録されているため、ぜひその目で確かめてみてください。

 

時代が経ったせいか読み慣れない文章ではありますが、その面白さはまさしく本物です。

 

 

オペラ座の怪人 (角川文庫)

オペラ座の怪人 (角川文庫)