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徹底ネタバレ解説!『君は月夜に光り輝く』あらすじから結末まで!

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

 

大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間が再び動きはじめた。今を生きるすべての人に届けたい最高のラブストーリー。

【「BOOK」データベースより】

 

佐野徹夜さんのデビュー作であり、永野芽郁さん、北村匠海さん出演で映画化されることが決定しました。

2019年3月15日にロードショーです。

 

本書は『発光病』という治療法の確率していない難病を主軸に置いたラブストーリーです。

ありがちといえばそれまでの設定ですが、あとがきにある通り、著者である佐野さんの経験が色濃く反映されて切実で、生きることについて強く読者に問いかけてきます。

 

加えて読みやすい文章なので、あまり人を選ばないという点も長所だと思います。

 

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

『発行病』に侵された少女

 

主人公である岡田卓也は中高一貫校に通う高校一年生。

そんな彼のクラスには、中学一年の頃からずっと学校を休んでいる生徒がいました。

 

彼女の名前は、渡良瀬まみず。

『発光病』という原因不明、治療法も確立されていない難病に侵されていました。

 

大体が十代から二十代前半までに突然発症し、大人になる前に大抵は死ぬといわれています。

また最大の特徴として、皮膚に異変が起き、夜、月の光に照らされると、体が蛍光色のように光るのだといいます。

 

病気の進行とともに光は強さを増し、だから『発光病』と呼ばれています。

そんなまみずに対して寄せ書きを渡すことになり、卓也の恩人である香山彰が彼女の病室まで持っていくことになります。

 

ところが週末になり、風邪を引いたとバレバレの嘘をつき、卓也は代わりにまみずのお見舞いに行くことになります。

そうして初めて会うまみずは、信じられないくらい真っ白な肌が印象的な美少女でした。

 

まみずは初対面にも関わらず、卓也のことを『卓也くん』と呼び、卓也にも下の名前で呼んでほしいとお願いし、卓也も『まみず』と呼びます。

それには両親の離婚が関係していて、変わらない名前にこだわっています。

 

卓也が預かったプリントや寄せ書きを渡すと、まみずは喜びますが、一方で卓也のコメントが冷たいことや無理やり持っていくよう頼まれたのではと心配します。

卓也は嘘ですが、自分の意思で来たことを伝え、まみずを安心させます。

 

頭が良さそうなのに、喜怒哀楽の激しいまみずに興味を持つ卓也。

ふと、ベッドサイドにあるスノードームに目が留まり、まみずは父親に買ってもらったもので、好きなのだと教えてくれます。

 

帰り際、卓也にまた遊びに来てくれる?と聞くまみず。

その気はありませんでしたが、寂しそうな彼女にそんなことは言えず、そのうちと卓也は答えます。

 

次来るときはアーモンドクラッシュのポッキーが食べたいから買ってきてほしいと言われ、卓也は分かったと深く考えずに返事をするのでした。

 

 

死ぬまでにやりたいこと

 

翌日、まみずのお見舞いについて香山から聞かれる卓也。

話を聞くと、香山は昔、まみずと何かしらの関わりがあったようで、もう一度会ってきてほしい、けれども自分のことは話さないでほしいと卓也にお願いします。

 

卓也は帰りの電車で寝てしまい、気が付くとまみずの入院する病院のある駅にいました。

ここまで来たなら仕方ない、と言われたポッキーも買い、お見舞いに行きます。

 

病室に着くと、まみずは検査で不在でした。

卓也は病室にあるスノードームを振って眺めますが、手が滑って壊してしまいます。

 

そこにまみずが帰ってきて、壊れたスノードームを見てショックを受けているようでした。

それがきっかけで自暴自棄になったのか、彼女はすでに宣告された余命を過ぎ、いつ死ぬのかなと他人事のように言うのでした。

 

帰り道、卓也はまみずにある人物を重ねます。

それは、彼が中学一年の時に交通事故で亡くなった姉・鳴子(めいこ)でした。

 

外見は似ていないのに、死ぬ直前の鳴子とまみずはどこか似ていました。

まみずと一緒にいたら、姉の死について何か分かるのではないか。

 

気が付くと、翌日もまみずの病室をおとずれていました。

昨日渡し忘れたポッキーを渡すと、まみずは『死ぬまでにしたいことリスト』をまとめているのだと教えてくれます。

 

卓也はスノードームを壊してしまった罪滅ぼしとして、まみずの死ぬまでのしたいことを手伝わせてほしいと言います。

それに対してまみずは、病室から出られない自分に代わって、ここに書いてあることを卓也が実行し、その感想を教えてほしいとお願いします。

 

こうして卓也は、まみずの願いを実践する日々が始まります。

一人遊園地に、徹夜で行列に並んで彼女のスマホを購入するなど、無茶苦茶なことを次から次へと要求されますが、まだほんの序の口でした。

 

 

 

離婚の理由

 

まみずの病室に通ううちの、彼女の母親の律とも会います。

律は卓也のことを決して名前で呼ばず、あまり快く思っていないことが伝わってきます。

 

また、卓也は鳴子が最初のバイト代で買ってくれた誕生日プレゼントのイヤホンが断線してしまい、落ち込んでいました。

すると、まみずは卓也にお願いして病院内の売店に連れていってもらうと、断線したイヤホンと全く同じものをプレゼントしてくれます。

 

嬉しさを素直に表現できない卓也ですが、突然、まみずは力が入らないといって卓也の体に倒れ込み、病室に連れ戻されます。

母親や看護師からは無茶させないようにと怒られますが、まみずがかばってくれ、二人はそれまでの関係を続けます。

 

次にまみずがお願いしたことは、離婚した理由を父親に聞いてきてほしいというものでした。

彼女の希望に従い、卓也は隣県に住む父親の真(まこと)に会いに行きます。

 

卓也が事情を説明すると、真はまみずに信用されている卓也ならと離婚の理由を説明してくれます。

真は小規模な部品メーカーを経営していましたが、大口の取引先が潰れたことで倒産。

 

自己破産に追い込まれた真は、破産前に律と離婚し、没収される個人財産を自分だけに止めることを決断します。

また、借金の取り立てなどの手前、まみずたちに会うわけにはいかず、代わりに危険な肉体労働をしながら律にこっそりとまみずの治療費を送っていたのでした。

 

話を聞いた卓也は、まみずのことを思うなら全てを打ち明けるべきだと主張。

また、真がまみずにプレゼントしたスノードームを壊してしまったことを謝罪します。

 

真は、スノードームのことは何とかすると言い、条件付きでまみずに自分のメールアドレスを教える許可をくれるのでした。

病室に行くと、このことをまみずに報告します。

 

彼女は、自分の病気のせいで両親を離婚させてしまったことを悲しみ、わがままに付き合わされている卓也も迷惑だと弱気になります。

しかし、卓也は嫌じゃないとして、次の死ぬまでにしたいことを聞くのでした。

 

 

女性関係の整理

 

まみずからの次のお願いは、メイド喫茶でアルバイトをするというものでした。

しかし、当然メイドとして卓也が働くわけにはいかないため、厨房担当として働き始め、そこで一歳年上の平林リコことリコちゃんさんと知り合います。

 

それから家に帰ると、姉の私物が入った段ボールの中に国語の教科書を見つけ、パラパラめくると赤線が引かれているページを見つけます。

中原中也の『春日狂想』という詩で、そこにはこう書かれていました。

 

愛するものが死んだ時には、

自殺しなきゃあなりません。

 

彼氏が死ぬまでは活発なキャラで、文学少女というわけではなかった鳴子が興味を持った詩。

そこに姉の死の理由があるのかもしれないと思いつつも、理解できませんでした。

 

まみずとの日々は相変わらずでしたが、今度は香山に動きがありました。

彼は女性にモテる一方、手当たり次第に手を出してトラブルに発展することも少なくありませんでした。

 

そんな彼が突然、女性関係を整理して全員を手を切りたいと言い、厄介な女性に別れ話を代わりにしてほしいと卓也に持ち掛けます。

待ち合わせ場所に現れたのは、担任の芳江でした。

 

彼女は当然怒り、コーラを卓也にぶっかけて立ち去ります。

しかし、それでも卓也と香山は友人のような距離感で付き合いを続けます。

 

後に香山には初恋の人がいて、その人に告白するために身綺麗にしているのだと判明します。

 

またまみずの願いに従い、卓也は亀を飼い始めます。

まみずはその亀に亀之助と名付け、ひどいネーミングセンスを披露するのでした。

 

それからも卓也はまみずのもとを訪れますが、周囲の負担になっていることに負い目を感じ、まみずは時々辛そうな顔をします。

彼女は中学の時にすぐ挫折してしまった手編みのセーターに再挑戦していましたが、冬に間に合わないなら意味がないと憂鬱そうです。

 

それでも卓也が死ぬまでにしたいことを聞くと、天体観測がしたいという返事がありました。

初めは外出が出来ないなら無理ではと思う卓也でしたが、病院でも出来るのではないかと思い直し、バイト代で望遠鏡を購入。

 

面会時間終了の八時では空はまだ明るいということで、消灯時間が過ぎた頃に病室に侵入し、まみずを連れて屋上に向かいます。

拓也は望遠鏡のセッティングを始めますが、そこでまみずの小さな悲鳴が聞こえます。

 

振り向くと、彼女は月に光を浴びて淡く光を放っていました。

発光病の特徴です。

 

まみずはその姿を恥ずかしいとして、卓也に見ないでとお願いしますが、卓也にはその姿が綺麗に見えました。

まみずの予想に反し、その姿を見ても卓也は変わらない態度で接してくれることに安心し、望遠鏡を覗き込みます。

 

卓也に彼女がいないことを確認すると、予行練習だとして二人はロマンチックな言葉を言いながら星を眺めます。

五分の間だけと言ったにも関わらず、時間が終わってから卓也はまみずのことが好きだと告白します。

 

それに対して、まみずは『ごめんね』と涙ながらに答えるのでした。

 

 

 

『恩人』と呼ぶ理由

 

卓也たち一年生は文化祭で演劇をやることになり、卓也たちのクラスでは『ロミオとジュリエット』をすることになります。

ここでまたしてもまみずのお願いにより、卓也は女性であるジュリエット役に立候補。

 

ロミオ役に香山が立候補し、かくして男二人による奇妙なロミジュリが誕生したのでした。

その後、卓也が香山のことを『恩人』だとする理由が判明します。

 

中学二年の時、卓也はいじめられている生徒をかばい、代わりに不良グループから目をつけられてしまいます。

ある日、ベランダから飛び降りるよう強要され、取り返しのつかない事態になりかけますが、そこに割って入ったのが当時、バスケットの選手だった香山でした。

 

彼は自分の方が勇気があると言い、柵の外に身を乗り出すと、わずかな隙間で踊るようにステップを踏み出します。

呆気にとられる一同ですが、次の瞬間、香山は踏み外して落下。

 

両足で着地しますが、その衝撃で両足を複雑骨折してしまいます。

懸命にリハビリを続けて日常生活を送れるようにはなりましたが、これまでのようにバスケを続けることは出来ませんでした。

 

それ以来、卓也は香山に対してささやかな敬意を抱いていて、だから『恩人』なのだといいます。

そして、女性関係を整理していたのは、まみずに会うためだと判明します。

 

卓也は予想していましたが、それがすごくショックでした。

ジュリエット役になったことをまみずに報告すると、卓也が次にお願いされたのが、好きな小説家のお墓参りでした。

 

静澤聰(しずさわそう)という小説家で、彼の書いた『一条の光』という本が好きなのだといいます。

静澤もまた発光病に侵されていて、自分の実体験をそのまま形にしたのだといいます。

 

翌日、社会科見学中にサボらないかと香山が提案し、卓也は静澤のお墓参りに行きたいと言い、二人で行くことにします。

道中、香山は中学の受験会場でまみずと知り合い、それ以来、ずっと好きなのだと告白します。

 

静澤の墓は辺鄙なところにあって、墓碑には『無』とありました。

帰り道、香山はまみずに告白するのだと決意し、今度二人で病室をたずねることになりました。

 

 

好きな人

 

数日後、まみずの病室を訪れた二人。

香山の頼みで、まみずと二人っきりにして自分は部屋を出ますが、数分後、香山が病室から出てきます。

 

悔しいとだけ口にして行ってしまい、卓也は病室に入ります。

まみずは気まずそうに告白されたが好きな人がいるからと断ったことを教えてくれます。

 

しかし、好きな人が誰なのかは教えてくれませんでした。

その後、卓也は香山は何もなかったように付き合いを続けますが、ふと香山の兄の話になります。

 

ここで香山の兄と鳴子が付き合っていたことが判明します。

また香山は、まみずの好きな人が卓也なのではと疑っていますが、卓也はそれを否定します。

 

卓也は、まみずからお願いされたタバコを吸いながら、『一条の光』のラストを思い出します。

主人公の友人で同じく発光病に侵されていた男が亡くなり、夜、火葬場で焼かれます。

 

その時、煙突から昇る煙はかすかに光を放っていて、それが天に昇っていく様子を見て主人公は思います。

人の死は美しい、と。

 

その後もまみずの体調は芳しくなく、月の光を浴びた彼女の身体は以前よりも強い光を放つようになっていました。

それでも彼女は気丈に振る舞います。

 

卓也は好きな人が誰なのかと聞きますが、まみずは誰も好きにならないように努力しているから邪魔しないでほしいと言い、卓也には意味が分かりませんでした。

代わりに手編みのマフラーを渡され、真に渡すようお願いするのでした。

 

後日、卓也が真にマフラーを手渡すと、真も卓也に本をくれます。

それは、スノードームの作り方が書かれた本でした。

 

 

二度目の告白

 

二学期が始まると、まみずの体調はますます悪くなり、『もう二度と会いに来ないで』と思ってもいない言葉を卓也に言ってしまいます。

卓也もまた、まみずのお願いだからとそれを分かったふりして、しばらくの間、会いに行かなくなります。

 

そして文化祭前日。

香山から、まみずの余命が、二人が病室に行った時点であと二か月だということを教えられ、卓也はショックを受けます。

 

それがきっかけとなり、卓也は再度病院に侵入しますが、今度は看護師に見つかってこっぴどく叱られてしまいます。

しかし一方で、卓也が来なくなってからずっとまみずが泣いていることを教えてくれ、卓也はようやく自分の間違いに気が付きます。

 

卓也は看護師に、明日の演劇を頑張るからと、まみずへの伝言を伝え、病院を後にします。

そして翌日、演劇の準備をしていると、まみずからテレビ電話が入り、そこに映し出された彼女は直前まで泣きはらしたようなひどい顔をしていました。

 

まみずもまた、化粧をしてジュリエットになった卓也の姿に笑い、最近の気まずい雰囲気が吹き飛びます。

卓也は芳江にテレビ電話が繋がったままのスマホを預けると、舞台に立ち、なんとか演劇は成功します。

 

翌日、久しぶりに病院に向かった卓也ですが、病室には『面会拒絶』の札が掛けられていました。

卓也は一睡も出来ず、自暴自棄になってしまいますが、翌朝には連絡がつき、病室に向かいます。

 

まみずは思ったよりも元気そうで、卓也を自分の胸で抱きしめると、生きていることを確認するように心臓の音を聞かせます。

卓也は辛くても絶対忘れないとして、もう一度告白します。

 

それに対して、まみずも今度は逃げません。

彼女もまた卓也のことが好きだといい、このまま時間が止まればいいのにと思わずにはいられませんでした。

 

 

死んだ後のこと

 

卓也は真からもらった本を参考にしてスノードームを直し、まみずに渡します。

不恰好ではありますが、そこには確かに愛情が詰まっていました。

 

無事恋人になれた二人ですが、まみずの体調は日によって上下し、彼女の死が近づくにつれて卓也の精神状態も不安定になっていきます。

バイトにも身が入らず、迷惑はかけられないと辞めることを決意。

 

リコちゃんさんからは、『心が壊れてるよ』と言われてしまいます。

まみずもまた自分に死が近づいてきていることを悟り、『死んだらどうなるのか知りたい』と言います。

 

それに対して卓也は、今日の夜もう一度来ると言い残し、病院を後にします。

彼は鳴子の仏壇に手を合わせ、中原中也の詩の意味がようやく分かったことを報告。

 

母親や亀之助、香山に最後の思いを託すと、もう一度まみずの病室に向かいます。

彼女をおんぶで屋上に連れて行くと、まみずはこれまで以上に強く光を放っていました。

 

卓也は、まみずに目を閉じるようにいうと、屋上の柵を乗り越えます。

いいと言われ、目を開けたまみずは絶句します。

 

卓也は、死んだらどうなるのかをまみずに教えるつもりでした。

彼はまみずのいない世界を生き、いつか彼女のいない人生も悪くないんじゃないかと思う瞬間が訪れることを怖れていました。

 

しかし、まみずは言います。

死んだらどうなるかなんて、どうでもいいと。

 

彼女はもうすぐ死んでしまう自分に卓也が憧れていることに気が付いていました。

しかし、自分がそこに触れてはいけないと、どうすることも出来ずにいました。

 

なんとか死を受け入れようと努力しましたが、いつしか自分よりも卓也のことを大切に思い、ずっと生きていたいという自分の中にある願いに気付くことが出来たのです。

そして、彼女は本当の最後のお願いを言います。

 

それは、『これから先、生きたらどうなるのかを知りたい』でした。

卓也はまみずに負けたことを認め、彼女の願いを受け入れるとキスをし、何度も好きだ、愛してると伝え合うのでした。

 

 

世界の続き

 

その十四日後、まみずは息を引き取りました。

彼女は死ぬ前に卓也宛てに自分の声が録音されたICレコーダーを残していて、彼はそれに従って彼女の遺志を実行していきます。

 

その一つが、自分が死んだら夜の火葬場で焼いてほしいというものでした。

葬式でまみずが彼女だったことを公言すると、香山と二人で夜の火葬場を眺めます。

 

煙突から煙が空に昇ると、その煙は月の光に照らされ、一筋の光となって天に昇っていきます。

まみずだった煙は、青く白く光り輝いていました。

 

卓也は、『一条の光』よりも綺麗だと思うのでした。

それからもまみずの遺志に従い、香山とは友人であることを確認し、亀之助により一層の愛情を注ぎます。

 

そしてまみずが亡くなって半年後、彼女のお墓が出来、真と律、香山と一緒に行くことになります。

本当は一人で行くつもりでしたが、実は中原中也の詩には続きがあることを知り、それを見て自分も変わろうと決意します。

 

愛するものが死んだ時には、

自殺しなきゃあなりません。

けれどもそれでも、業が深くて、

なおもながらうことともなったら、

テンポ正しく、握手をしましょう。

 

卓也はこれを、生き残った人間は、生き残った人間同士で仲良くして生きていくしかないと解釈。

だから、他人と繋がっていくことを選びます。

 

真の運転でまみずのお墓に向かう途中、卓也は亀之助の彼女を飼うことにしたため、その名前を募ります。

すると、真は窓の外にある桜を見て『サクラ』と言い、ここで『まみず』という名前の由来が判明します。

 

真は、目についたものを名前にする適当なところがあり、まみずに名前をつけた時、彼は二日酔いで水を飲んでいたのだといいます。

だから『まみず』。

 

だからもしそれが緑茶だったら、『みどり』だっただろうと真は言います。

卓也はサイテーだと言いますが、その表情は以前と違って明るく、少しずつ変わっていっているのが分かります。

 

お墓に着くと、真は春にも関わらず、まみずからもらったマフラーを首に巻いていました。

そして卓也は、新しいスノードームを作りたいというまみずの願いに応え、彼女のデザインを基に完成させたスノードームをお墓の脇に置きます。

 

そこには、ウェディングドレスとタキシードを着た二人が、仲良さそうに佇んでいるのでした。

もうすぐ春、まみずに出会った季節になりますが、卓也はもう死にたいとは思わず、むしろ桜が咲くのを楽しみに思うのでした。

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

生きることに迷ったり悩んだりする瞬間が誰にでもあると思いますが、そういう時に読みたい、読んでほしい作品だと強く思いました。

 

伝えたいという強い気持ちが痛いほど伝わる、とても心に残る作品でした。

 

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)