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『ストロベリー・ゴー・ラウンド』ネタバレ感想!あらすじから見どころまで!

ストロベリー・ゴー・ラウンド (少年チャンピオンコミックス・タップ!)

 

くーやん、戦艦、ぜらちん、二重、新、磯良。ちょっと変わった少年少女たちははしゃいで、悩んで、恋をする。 
青春の王道を歩めないのも、きっと青春。

【Amazon  内容紹介より】

 

久しぶりに表紙買いした作品です。

予想をはるかに超えて面白かったので、たくさんの人に読んでもらいたいと思い記事にしました。

 

ただし表紙に騙されてはいけません。

中の絵は少し癖が強いので、もし書店に立ち読み用の冊子があればぜひ読んでから購入を検討してください。

 

しかし、それがいい意味で味を出し、シュールさを演出させるだけでなく、そこから急に放たれる真面目なセリフが胸に突き刺さります。

『荒川アンダーザブリッジ』などが好きな人は、相性が良い気がします。

 

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

登場人物の癖がすごい

 

女子高生三人が主人公なのですが、とても個性派揃いです。

 

黙っていれば美形なのに、実現できるはずのない妄想を頭の中で膨らませ、妥協してストーキングで我慢している変人の『くーやん』。

童顔だけどその顔から放つ言葉はどぎつく、しかも小学校から付き合う彼氏がいる『ぜらちん』。

剣道部に所属する武闘派なのにゲーマーでお嬢様、一番乙女?な『戦艦』。

 

三人ともちゃんとした名前があるのですが、作中では主にこのおかしなあだ名で呼び合います。

最初は違和感がありますが、次第にそのあだ名に愛着がわき、気が付けば作品の世界に引き込まれてしまいます。

 

特に三人の掛け合いは必須です。

こじらせているだけあり、男子とどうやって話したらいいのかを真剣に話し合い、しまいには合コンに参加したら孕みそうとまで言う始末。

 

ちょっとどころか、かなり変わっています。

でも、そこがいい。

 

そして、男子も三人登場しますが、彼らもまたいい味を出しているので、一味も二味も違った恋愛模様を見ることができます。

うまくいかないけれど、それでも高鳴る胸の鼓動、男女問わず共感してしまうはずです。

 

 

王道じゃない青春が良い

 

ガールミーツボーイを謳った作品ですが、ガールは決してモテるタイプではないので、ボーイと会話することすら大イベント。

非常に緊張感があります。

 

そして、何かあるごとに他の女子に報告し、自分もろくに恋愛できないくせにああだこうだ口を出す。

身に覚えのある方もいるのではないでしょうか?

 

決して順風満帆な青春というわけではありませんが、この一瞬一瞬が愛おしいのはまさしく青春です。

過去にあった苦い青春が、まさか今になって愛おしくなるとは思いませんでした。

 

 

 

間合いやテンポが秀逸

 

畳み掛けるようなやり取りのテンポが非常に軽快で、気持ちよく読み進めることができます。

かと思えば、好きな人と話すシーンでは絶妙な間が空いて、読んでいるこちらもドキドキしてしまいます。

 

このメリハリがあるからこそ、ギャグも真面目なシーンも活きてくるのだと思います。

 

 

『普通』じゃないは悪いことじゃない

 

特にくーやんと、彼女の気になっている二重くんは『普通とは何か』について悩み、『呪い』とまで言ってのけます。

これは若い人に限らず、人間であれば誰もが感じる悩みではないでしょうか?

 

特に学生のうちは学校という閉鎖されたコミュニティで長い時間を過ごすので、『普通』じゃないと仲間外れにされそうで怖いですよね。

でも、『普通』じゃないことは、実はとてもいいことなんです。

 

みんな普通に見えているだけで、実はそう見せているだけ。

本当はもっとさらけ出したい自分がいるのです。

 

だから思い悩むことは間違いではないし、その時間を持つことができる青春という特別な時期、今がそうだという人はぜひ大切にしてください。

作中で二人はこの悩みに折り合いをつけて前に進むのですが、その姿がとても印象的でした。

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

癖の強い登場人物たちについ目が行きがちですが、周りとの関係や差に悩む人の悩みを捉え、それを肯定してくれる物語がとても秀逸な作品です。

 

今までありそうでない、新しいガールミーツボーイ。

あなたも読んでみませんか?

 

ストロベリー・ゴー・ラウンド (少年チャンピオンコミックス・タップ!)

ストロベリー・ゴー・ラウンド (少年チャンピオンコミックス・タップ!)