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『子どもたちは夜と遊ぶ 下』ネタバレ感想 辻村深月【著】

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

 

「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならない―。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。

【「BOOK」データベースより】

 

 

 

こちらは下巻になります。

上巻の記事をまだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。

 

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この記事でもネタバレを含んでいますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

第6章 耳と手のひら

 

『i』が独断で事件のことを公表したことに、浅葱は不信感を募らせていた。

説明を求めてメールを送ったが、返信はない。

 

対等だと思っていたが、実際は違う。

萩野殺害が尾を引き、浅葱の精神はボロボロになっていた。

 

そんな時、紫乃と会った帰りだった月子と会い、大学の職員食堂でお茶をすることになった。

話をしながら、浅葱がふとテレビを見ると、ニュースで蛇島友美が車の欠陥により事故死したことが報道されていた。

 

月子はひどいと眉をしかめるが、浅葱にはすぐに分かった。

『i』からのメッセージだと。

 

浅葱はショックで倒れてしまい、D大学医学部に隣接した保健管理センターに運ばれる。

狐塚も駆け付け、対応の悪い職員に怒りを露にする。そんな姿を見て、浅葱は兄のことを思い出していた。

 

狐塚が眠りから覚めると、そこは月子のマンションだった。

浅葱は病院で休んだのちに自宅へと帰り、狐塚は月子のマンションに寄ったのだ。

 

そこで月子から切り出された話題。

それは、恭司が孤児だって本当? というものだった。

 

それに答えるために狐塚は条件を出す。

その一つに、秋山の二年前に何があったのか教えるというものがあった。

 

坂本が言うには、秋山は元々文学部にいて、今みたいに笑わなかったという。

そして、一人の男子生徒を消してしまったのだという。

 

まずは狐塚からの返答。

恭司は確かに孤児だ。

 

それゆえに自暴自棄になることがよくあり、『i』の公表した(浅葱の書いた)手記を見て月子はこのことを思い出したという。

しかも、恭司には誠司という弟がいるらしい。

 

月子は疑ってはいなかったが、狐塚は恭司のことを疑っていた。

そして、話は二年前の秋山のことになる。

 

『お化け教室』の噂。

関係しているのは真紀だという。

 

真紀は彼氏がいたと、月子になぜか過去形で報告してくれた。

しかし今は別れ、でも好きだから仲良くしたいと向こうは言っている。

 

都合が良すぎると月子は相手の男を非難するが、真紀はそれでも呼ばれれば応じてしまっていたという。

話したことで堪えられなくなり、真紀は泣いてしまった。

 

しかし、本当に問題になったのは翌週だった。

秋山の授業に真紀が遅れてやってくると、顔にはひどい暴力の跡が残されていた。

 

授業を抜けて、真紀を病院に連れていく月子。

真紀は立っていられない状況で、休ませてもらうことになったが、鼓膜が破れていた。

 

演奏会を控えていた真紀だが、ホルンの演奏など出来るはずもない。

秋山も駆け付け、殴った相手を真紀に聞くと、月子も知っている男だった。

 

それから真紀はしばらく大学を休んでいたが、真紀を怪我させた男は明らかに今の状況を楽しんでいるようだった。

月子は殴りかかろうとするが、寸前のところで秋山に止められる。

 

秋山はその男に何かを耳打ちした。

すると、男はみるみる顔を青くし茫然と立ち尽くし、秋山はそれに構わず授業を始める。

 

結局、秋山は男に一言も声を掛けず、授業を終了した。

そして、その男は二度と大学に現れなかった。

 

その事件があった教室を『お化け教室』と呼んでいるのだという。

 

場面は変わり、浅葱の頭痛は慢性的なものになり、精神はもはやボロボロだった。

そんな時、来年度のセーラ大学への留学に浅葱が選ばれたという報告が入った。

 

残念がる狐塚に、浅葱は狐塚が『i』であってほしいと願っていた。

そして、自分と狐塚を比べた場合、自分を選ぶ女はセンスがなく、だから月子は浅葱を選ばないと絶望していた。

 

 

第7章 象とチケット

 

月子と紫乃が友達になった時の話。

二人は同じバイト先で働いていたが、月子が陰口をたたかれていた時、庇うでもなく月子を肯定してくれたのが紫乃だった。

 

それが嬉しくて、彼女と友達になったのだという。

そんな話の中、月子は秋山からサーカスのチケットを二枚もらう。

 

帰り道、サーカスの日に暇かと狐塚からメールがきたが、予定があると月子は断った。

元気のない彼女を誘おうと考えた狐塚の目論見は外れ、そんな時に真紀と会ったこともあり、彼女をサーカスに誘うことにした。

 

すると、真紀は快諾。

二人はデートをすることになった。

 

一方、浅葱はゲームから下りることを考えていた。

しかし、見透かしたように『i』からメールが届き、自分がゲームから下りても『i』はゲームを続け、犠牲になるのは暗号の内容からいって狐塚だった。

 

そんな時、月子からサーカスに一緒に行かないかというメールが届く。

月子が自分のものにならないと理解し、それでも狐塚が殺されるのを浅葱は耐えられなかった。

 

場面は変わり、狐塚と恭司のアパート。

狐塚宛に封筒が届き、差出人は『i』だった。

 

そこには『あなたに決めた』という言葉に今までの暗号が書かれていて、明らかにゲームのターゲットに狐塚を選んだことが分かる。

秋山から電話が入り、このことを伝えると、秋山はそれが本物だと断言し、狐塚を迎えに来てくれることになった。

 

場面は変わり、月子は浅葱にサーカスを断られてしまった。

そして、紫乃にあげることにした。

 

狐塚は秋山の研究室に移り、坂本と今後の方針を話し合う。

『i』かθを捕まえたい警察は狐塚を囮にしたいと提案し、狐塚もこれに了承した。

 

浅葱はというと、狐塚に警察が護衛として付いたことに気が付き、『i』がコンタクトをとったのだと焦っていた。

そして、『i』より先に条件に合う人物を殺害する決意をする。

 

 

 

第8章 嵐とサーカス

 

『i』のことがあり、狐塚は秋山とサーカスに訪れていた。

一方、浅葱は紫乃と待ち合わせをしていた。

 

そして、人気のないところで紫乃を殺害する。

しかし、思い出されるのは『i』のことではなく、月子の手の感触だった。

 

サーカスで一時停電となったが、復旧して安心する狐塚と秋山。

すると警察から連絡が入り、θが別の人を殺害したという情報が入った。

 

紫乃を殺した後、漫画喫茶で『i』にメールを送って倒れてしまう浅葱。

すると、そこに居合わせた恭司が浅葱を拾い、月子に連絡。

 

月子が狐塚と恭司のアパートを訪れると、浅葱はひどい有様だった。

浅葱を介抱する月子だが、浅葱のカバンのポケットにサーカスのチケットがあり、それが紫乃にあげたものだと気づいてしまう。

 

浅葱が目覚めると、月子はすでに帰っていて、恭司一人だった。

そして、浅葱はもう誰にもこの悩みを打ち明けることはできず、一人で立ち向かわなければならないのだと悟った。

 

場面は変わり、狐塚から月子に電話が入り、紫乃が死んだことを知らされる。

月子は泣き崩れ、それと同時に浅葱に会わなければならないと思っていた。 

 

 

第9章 ポビーとディンガン

 

※章題は『ポビーとディンガン』という作品からとられていて、作中に出てくるメリーアンには、ポビーとディンガンという目に見えない友達がいた。

 

 

会員制のクラブバーで、川崎幸利は藍と出会い、原田と偽名を名乗って金銭と引き換えに体を要求し、藍もそれを承諾する。

 行為に及ぶが、藍は川崎という本名を知っていて、気が付くとナイフで殺されていた。

 

藍は彼をホテルから下に落とすと、θ(浅葱)に暗号を送った。

後日、現場の捜査に坂本があたり、『i』の犯行であることは明白だった。

 

浅葱の元に『i』から暗号が届く。

いつもの形式とは違い、それは『狐』以外に答えがないような暗号だった。

 

浅葱が『i』の意図に反し紫乃を殺害したため、逃げられないようにするためだ。

つまり、浅葱は狐塚を殺さなければならない。

 

あと一人殺せば『i』に辿り着けるのに。

葛藤する浅葱。

 

昨晩、月子から紫乃の告別式に一緒に行こうと提案があり、待ち合わせ場所に向かう。

しかし、そこには秋山や狐塚の姿はなく、現れたのは月子だけ。

 

そして、彼女は浅葱がθなんでしょ? と確信に満ちた言葉を伝える。

月子は最初は浅葱が『i』ではないかと疑っていたが、紫乃に渡したはずのサーカスのチケットを浅葱が持っていたこと、そして浅葱のカバンの中にワープロで打たれた暗号が入っていたことで、彼がθであると気づいたのだ。

 

そして、凶器に使ったベルトをこっそり恭司のものと入れ替え、浅葱のものは月子が持っていた。

言い逃れなんてできるはずがない。

 

堰を切るように全てをさらけ出す浅葱に、月子は浅葱のせいじゃないと慰める。

月子はこんな自分を受け入れてくれると、浅葱は思った。

 

しかし、彼女は萩野や紫乃を殺してまで『i』に会いたいの? と浅葱を糾弾する。

『i』は浅葱の兄ではないし、もしゲームをおりるならこのことは誰にも言わない。だから選んで。

 

迷う浅葱だが、気が付いてしまった。

月子たちを選んだところで、月子は狐塚のもので、自分のものにはならない。

 

浅葱は『i』が自分の兄であると改めて主張すると、なら止めなければならないと月子はこの事実を話すために教室を出ようとした。

浅葱は月子を止めると、目の前に置かれた花瓶で彼女の頭を殴った。月子は頭から血を流し、その場に倒れ込む。

 

場面は変わり、狐塚と秋山の会話。

実は、狐塚は真紀のことが好きで、そのことに月子も気が付き、応援していたという。

 

そして、秋山も言う。

月子は、浅葱のことが好きだと。

 

場面が戻り、倒れる月子。

倒れた拍子に月子の財布が床に転がり、中から古い写真が突き出ていた。

 

それは幼少期、兄と月子が写った写真で、その兄はどう見ても狐塚だった。

そして、浅葱だけが写った写真もあり、自分が勘違いしていたことにようやく気が付いた浅葱。

 

狐塚と月子は兄妹であり、月子が好きなのは浅葱のことだったのだと。

そこで思い出す。

 

月子の母親は子供の名前に対を持たせようと考えていた。

狐塚孝『太』と狐塚『月』子。太陽と月。

 

後悔しても、もう遅い。

月子はピクリとも動かない。

 

大切なものを失った浅葱だが、奇しくも『i』の問題をクリアすることが出来た。

このゲームを終わらせるために、浅葱は『i』に会いにいくことにした。

 

 

 

第10章 蝶々と月の光

 

浅葱が立ち去ったあと、奇跡的に目を覚ました月子。

激痛が走る中、彼女がしたことは、浅葱がθだと示してしまう写真画像を印刷した紙を飲み込むことだった。

 

殺されかけてもなお、彼女は浅葱は悪くないと庇い、守ろうとしていた。

それから少しして、秋山が月子を発見し、呼吸をさせようと試みるが、彼女の喉は紙でつかえていた。

 

必死で取り出そうとする秋山だが、残った力でさらに飲み込もうとする月子。

秋山は急いで救急車を呼んだ。

 

場面が変わり、狐塚のもとに月子がθの犠牲になったという連絡が秋山から入った。

急いで大学病院に駆けつけると、月子は手術中だった。

 

両親、真紀や恭司も駆け付け、誰もが彼女の手術の成功を祈っていた。

また、ここで狐塚と月子の関係性が明かされる。

 

父親を早くになくし、母親をよろしくと頼まれていた月子。

ようやく新しい父親に母親を任せることができたが、それは母親を失ってしまったようで月子はとても悲しかった。

 

だから狐塚は、望まれるならいつでも月子を受け入れ、彼女の親代わりになろうと決めていた。

二人の名前には、いつまでも仲良くいるようにという願いが込められていた。

 

数日後、月子の容態がまだ回復しない中、秋山は狐塚に月子が呑み込んでいた紙の切れ端を見せてくれた。

それは蝶の羽の一部で、秋山が調べたところによると、この蝶は『アサギマダラ』という。

 

そして、学名は『パランティカ・シーター』という。

つまり、浅葱がθであることを意味していた。

 

浅葱は自宅に戻ると、ナイフを持ち、『i』に会うために出かける。

目指す先は、お化けトンネルだった。

 

事実を知り、狐塚は秋山の了解を得て、恭司と一緒に浅葱に会いに行くことに決めた。

そして、『i』も浅葱に会うことを決めた。

 

浅葱の自宅に向かうと、そこに浅葱はおらず、『i』とのやりとりからお化けトンネルに向かったことが分かった。

そしてもう一通、『i』から最後の暗号が届いていて、ターゲットは浅葱だった。

 

お化けトンネルに到着すると、そこにいたのは片目にナイフが突き刺さった浅葱だった。

そして『i』からメッセージが残されていて、ゲーム終了と書かれていた。

 

 

第11章 ビールとチキン

 

二か月後、目を覚ました月子。

そして、浅葱も目を覚ましていたが、問いかけには答えられない状態だった。ナイフが刺さった左目も失明しているという。

 

狐塚は月子と面会しようとしたが、秋山が言うには、月子は大学入学以後のことを全て忘れているのだという。

当然、事件のことも忘れていた。

 

病室に入ると、月子と母親がいたが、月子は大学入学前の時点で記憶が止まっているため、狐塚が年をとっていることに戸惑っていた。

また坂本は浅葱が逮捕されてからも捜査を続けていたが、結局翼の行方も『i』の正体も分からないままだった。

 

そんな時、秋山から『i』を探しにいこうと提案がある。

お化けトンネルでは二年前に少女が亡くなっていて、右目をドライバーで突き刺されていたという。

 

彼女の名前は、上原愛子。

自殺だったという。

 

愛子の両親に会い、話を聞くと、彼女は非常にプライドが高く、周りとうまくやれない自分にコンプレックスを抱いていたという。

そして、C大学に飛び級制度で入学し、大学二年生の時に亡くなったのだという。

 

娘を理解してやれなかったことを後悔する両親。

彼女は死ぬ前、誰かとやりとりをしていたようだが、それから日常生活での態度が変わり、最後にはパソコンのデータを全て消していた。

 

場面は変わり、失踪していた翼が自分で警察に現れた。

すぐにニュースになり、真実が明かされる。

 

翼は『i』のゲームを手伝うために家出したが、ただそれだけで、彼は『i』に何もされていなかった。

翼は道中で知り合った老夫婦にお世話になり、しかも一度だけ『i』が会いに来たのだという。

 

浅葱が逮捕された後、両親が心配していることを考え、戻ってきたのだという。

翼は『i』の身体的特徴を告げるが、それは浅葱とは似ても似つかない容姿だった。

 

 

第12章 藍色とライト

 

狐塚は坂本に許可をとり、浅葱と面会するために彼の入院する病院を訪れた。

狐塚は色々なことを語りかけるが、浅葱は一言も発しない。

 

しかし、狐塚は気づいてた。

浅葱の中には、浅葱と藍の人格があることに。

 

浅葱たち家族が当事者となった事件を見つけ出し、狐塚は生存者が浅葱ただ一人だと知り、『i』が兄の藍でないことを突き止めていた。

すると、そこで初めて浅葱が話し出すが、口調がいつもとは異なり、右目を失明してからは意識はずっと『i』だという。

 

結局は、浅葱一人でゲームをしていたのだ。

狐塚は言い当てたが、真相に気が付いたのは秋山で、背中の火傷がヒントになったのだという。

 

手記によると、火傷を負っていたのは『i』のはず。

なら、浅葱は無自覚の内に二つの人格を宿していたのではないかと秋山は考えていた。

 

ここから藍の独白が始まる。

藍の死がきっかけとなり、浅葱の中に藍の人格が生まれ、施設での劣悪な生活に耐えるために、二人は体の痛みと精神の痛みを分けて耐えるようになった。

 

しかし、それがそれぞれを異常な人間にしてしまった。

それもD大学に入学してからは落ち着いていたが、そんな浅葱のプライドを傷つけたのは四年の時のコンクールで『i』が登場したことだった。

 

この『i』は上原愛子のことで、浅葱がコンタクトをとってきたことで自分の正体がバレてしまうことを恐れ、愛子は浅葱のパソコンのデータを全て奪い取った。

しかし、そこで手記を読んで愛子は自分を藍に重ね、浅葱の兄として振る舞うようになった。

 

だがこのままでは浅葱と交わることがないと考えた愛子は、浅葱と会う覚悟を決める。

しかし、騙された浅葱は藍の人格を呼び起こし、彼女を殺害させた。

 

そこで浅葱の精神は限界に達し、そのままでは生きていくことはできず、そこで『i』とゲームをすることで、彼が生きていると思い込むようになった。

しかし、藍の人格は、浅葱はこのまま生きられないと判断し、浅葱を殺害しようと考えていた。

 

ここまで語られたが、狐塚は一つ大きな勘違いしていた。

今、会話しているこの人格こそが、浅葱だったのだ。

 

つまり、狐塚たちが普段接していた浅葱が、後から作られた人格『藍』だったのだ。

それは、これまで浅葱の人格が『藍』に乗っ取られていたことを意味していた。

 

しかし、浅葱は狐塚と話すことで自分を再認識でき、ありがとうと礼を言う。

狐塚もそれを確認し、部屋をあとにした。

 

そして、その三か月後、坂本から浅葱が失踪したと連絡が入った。

 

 

エピローグ 月子と恭司

 

徐々に回復してきた月子の病室に、恭司が訪れた。

恭司を忘れてしまった月子は、彼との関係をたずねるが、恭司の言う事が本当かどうか判断できなかった。

 

狐塚から聞いていた印象と違う恭司。

そして、彼はこれから飛行機に乗ってどこか別の国に行くのだという。

 

そう言う恭司の左目には包帯が巻かれていて、なぜか月子は胸が締め付けられた。

またいつか会いにくる? という月子の問いかけに、もう来ないと言い切る恭司。

 

しかし、もし月子がピンチになったら必ず駆け付けると言い残し、恭司は病室を後にした。

狐塚が病院を訪れると、失踪中であるはずの浅葱と目が合う。

 

恭司は、なんと浅葱を連れてきて、入れ替わることで月子と会わせていたのだ。

浅葱は狐塚に微笑むと、何事もなかったかのように消えていった。 

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

凄惨な出来事に心が消耗した方も多いと思いますが、最後には小さな光が差し込む、そんな希望が残されていました。

 

事件の傷は消えないけれど、これから幸せな人生を歩める。

そんな希望が、僕はとても好きでした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

 

 

 

 

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