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徹底ネタバレ解説!『告白』あらすじから結末まで!

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

 

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

【「BOOK」データベースより】

 

別の作品を読んで、湊かなえさんのファンになってしまった僕。

どこから読んだものかとネットを漁っていると、デビュー作である『告白』を推す意見がとても多かったため、本書をまず読むことにしました。

 

そして、開始数ページでこの本を選んで正解だったと確信しました。

話としては単純なものなのに、それを読ませる圧倒的な文章力。

 

改めて良い作家さんに出会えたなと感動しています。

また、話の構成も面白かったです。

 

事件の概要は、第一章において、森口の口から全て語られますが、これが主観だらけなのです。

そのため、別の視点から見ると全く違う心情がそこにはあり、複数の視点から見て始めて物語は完成します。

 

この記事では、本書のあらすじなどをまとめながら、感想も書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

登場人物

 

話に入る前に、主な登場人物をここでまとめたいと思います。

 

 

森口悠子

 

S中学、1年B組の担任。生徒の手によって4歳の娘・愛美を殺され、犯人に復讐することを決意する。

 

桜宮正義

 

『世直しやんちゃ先生』の名前でメディアでも有名な教師。悠子のフィアンセだったが、HIVに感染したことで結婚を断念。やがてエイズを発症し、亡くなった。

 

渡辺修哉

 

森口に『少年A』として告白された少年。彼の発明品、そして行動が愛美の間接的な死の原因となった。

 

下村直樹

 

森口に『少年B』として告白された少年。修哉にそそのかされる形で愛美の死に関与し、結果として直樹が愛美をプールに落として殺害した。

 

北原美月

 

クラス委員長。成績も良く、優等生を演じているが、心に大きな闇を抱えていることが後に判明していく。

 

寺田良輝

 

森口に変わり、新しく1年B組の担任になった教師。桜宮に憧れて熱血教師を目指しているが、それは自分の理想に良し知れているだけであり、生徒のことは考えていない。それが問題をさらに悪化させる。

 

直樹の母

 

理想が高い故に人の話を聞かず、子供に自分の意見を押し付ける。

 

 

第一章 聖職者

 

帰りのホームルームで、辞職することを話す森口。

辞めることもあってか、普段であればしないような話を始める。

 

森口はシングルマザーで、四歳になる娘の愛美がいた。

愛美の父にあたる男性(後に桜宮と判明する)とは結婚が決まっていて、結婚式を目前にして妊娠が発覚したため、ついでに桜宮も健康診断を受けることにした。

 

しかし、そこでHIV(後天性免疫不全症候群)に感染していることが判明。

それでも森口は結婚しようと申し出るが、桜宮はお腹の子供が将来、父親がHIV感染者というだけで偏見を受けないように結婚を拒否。

 

結局、森口が一人で産み、育てることになった。

幸いなことに生まれた後の検査で、愛美はHIVに感染していないことが分かり、桜宮は残りの人生を捧げるように仕事に情熱を注いだ。

 

森口は保育所に愛美を預けながら教師を続けた。

田舎の保育所では午後六時まで預かってもらえないため、その後はシルバー人材派遣センターに紹介してもらった、学校のプールの裏手に住む竹中に預かってもらうことにした。

 

その後、竹中が入院してしまい、森口は仕事を早く切り上げて愛美を迎えに行くようになり、どうしても仕事で遅くなる日は、保健室で待たせていた。

愛美が亡くなる一週間前、ショッピングセンターで愛美はわたうさちゃんというキャラクターの顔を形どったポシェットをねだり、それを森口に却下され、それを直樹とその家族に目撃されていた。

 

そして、事件当日、愛美がプールで亡くなっているところが発見された。

愛美は竹中の家で飼われている犬のムクにご飯をあげているところを目撃されていたため、事故死という見方が強かった。

 

しかし、森口はクラス中にこう言った。

愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたのだと。

 

ここで森口は、家族を青酸カリで殺害した当時十三歳の少女による通称『ルナシー事件』を例にとり、今の法律では未成年を裁けないことを訴える。

また桜宮がとうとう発症してしまったことを知り、残された時間を家族三人で過ごそうと提案していたが断られていて、そのことも後悔しているという。

 

そして、森口が事件の真相を知ることになったきっかけ。

愛美は人からもらったものは何でも森口に相談していましたが、遺品の中にあげた覚えのないわたうさちゃんのポシェットがあり、事件当日、愛美は本当に一人だったのかという疑問が湧いてきた。

 

ポシェットの中を調べると、中にはコイルのようなものが入っていた。

森口はそこで真相に気が付き、二人の生徒を別々に呼び出した。

 

ここでは二人の犯人を、A・Bと呼ぶことにした。

 

Aは目立つような生徒ではなかったが、成績優秀だった。

一方でAは自分のサイトを持ち、そこで自作した道具で犬や猫を殺した動画を上げるなどしていた。

 

森口がAを意識し始めたのは、Aが自作した感電する財布の実験台にされた時だった。

Aは後に改良品をコンクールに出し、特別賞を受賞した。

 

事件後、森口がAを化学室に呼び出すと、Aはすでに事情を察していて、むしろ自分が犯人であることがバレたことを喜んでいた。

Aは危険人物として認識され、皆から注目されたかったのです。

 

しかし、コンクールに賞を受賞しても思ったような評価はされず、一方で『ルナシー事件』が連日報道されることに嫉妬し、処刑マシーンの開発に没頭したという。

次に少年Bについて。

 

事件後、森口はBの家に行き、母親とBに対して中学入学からのBについて話しましたが、彼の母は学校の対応を非難し、息子を哀れんだ。

また、彼は事件前に校則違反したことでペナルティとして、プールサイドと更衣室を掃除することになっていた。

 

Aは感電装置の電圧を上げることに成功し、そのターゲットを共謀者であるBに選ばせることにし、そこで挙がったのが愛美だった。

二人は放課後、プールにいる愛美に親しげに話しかけ、ママに頼まれたと嘘をついてわたうさちゃんのポシェットを渡し、ファスナーを触らせた感電させた。

 

愛美はショックで気絶。

Aは立ち去るが、怖くなったBはわたうさちゃんのポシェットをフェンスの向こう側に放り投げ、愛美をプールに放り込んだ。

 

これが事件の真相だという。

そして、ここからが森口の復讐。

 

彼女は警察に真相を話さなかったが、決して二人を許したわけではない。

森口はHIV感染者である桜宮の血液を採取し、それを二人の牛乳の中に入れ、飲ませたのだ。

 

もし感染していれば、発症まで五年から十年かかる。

これで犯した罪の重さを知り、反省してほしい。

 

そう言い、森口の話は終わった。

 

 

 

第二章 殉教者

 

クラス委員長である美月の視点。

彼女は、森口にあてた手紙を彼女がよく読んでいた文芸誌に投稿し、この章はその手紙の内容になっている。

 

森口が真相を話して以来、教室には異様な雰囲気が流れていることが書かれている。

またあの日を最後に、美月の幼なじみであり、犯人Bである直樹は不登校になってしまった。

 

犯人Aである修哉はあれからも学校に来ているが、クラスメイトからは変わらず学校に来ていることに不安を感じていた。

そして、森口に代わって担任になった寺田はこのクラスの事情を知らず、熱血ぶりを生徒に押し付けるような勘違いした教師だった。

 

それでもゴールデンウイークも過ぎると、修哉を自然に無視できるようになり、一見穏やかな雰囲気になった。

しかし、寺田は事情を知らないにもかかわらず、直樹が来やすい環境を作ろうと呼びかけ、週に一度、授業のノートのコピーを寺田と美月で届けに行くことになった。

 

最初こそ、熱心な担任に直樹の母親は心を許し、森口のことを非難しましたが、段々と迷惑がるようになった。

また、直樹も登校してくる気配もない。

 

六月に入ると、今度は修哉に対するいじめが始まった。この異様な空気を、楽しむようになっていた。

彼らはそれを制裁だと考えていて、修哉はそれを受けても黙って耐えていた。

 

そして、それを庇えば、今度はその人が制裁される。

それはまるで魔女裁判のようなものだった。

 

美月は最初こそ手を出さなかったが、周りの圧力に負けて牛乳パックを投げつけてしまう。

しかし、ごめんと謝ってしまったことで有罪が決まり、美月は無理やり修哉とキスさせられてしまう。

 

その日の夜、修哉にメールで呼び出された美月は、コンビニで一枚の紙を受け取る。

それは修哉の血液検査の結果で、彼は陰性だった。彼はキスによってHIVが感染しないことを伝えたかったのだ。

 

久しぶりに人間らしい表情をする修哉に、美月は話があると持ち掛ける。

彼女は森口の告白があった日、修哉と直樹の牛乳パックを持ち帰り、血液に反応する薬品で試したが、そこに血液なんて入っていなかったことを伝えた。

 

そこで二人は特別な関係になり、キスを交わす。

美月の初恋の相手は直樹だったが、修哉はこの世でたった一人の味方だった。

 

翌日、修哉と美月は冷やかされますが、修哉はHIVに感染しているかもしれないということを逆手にとり、自分の血を振りかざすことでクラスメイトを黙らせる。

もう誰も修哉に嫌がらせなんて出来なかった。

 

七月になり、修哉と美月はほとんど毎日、研究室で会っていた。

また、いつものように寺田と美月は直樹の家を訪れるが、寺田は近所の人にも聞こえるように直樹が不登校であること、美月といつも一緒に来ていることを伝え、それがさらなる悲劇の引き金となる。

 

その日、直樹が母親を殺害した。

美月はこの件で学校側から事情を聞かれ、迷わず寺田を糾弾した。

 

 

第三章 慈愛者

 

直樹の母親が殺害された後の話。

初めに直樹の下の姉である聖美の視点から始まり、母親がつけていた日記帳の記述が公開されていく。

 

母親は高い理想を持ち、そのため他人の言う事を聞かず、思い込みの激しい人間だった。

愛美が死んだ事件も、森口が嘘をついていて、直樹は被害者なのだと哀れんでいた。

 

森口の告白があって以来、直樹は極端な潔癖症になってしまった。

これは、自分がHIVに感染しているかもしれないからだ。

 

また苦手な食べ物を食べてみると言い出し、しかもそれをおいしいと涙をこぼし、母親には直樹が事件を引きずっているように思えた。

ますます母親は森口への恨みを募らせ、言いにくいことを書くと良いと直樹に日記帳を渡す。

 

しかし、いつまでも登校できる兆しのない直樹に、母親は次第に苛立ちを募らせる。

引きこもりなどと言われたくない彼女は、直樹と一緒に無理やり病院に行き、『自律神経失調症』であるという診断書をもらった。

 

帰り道、ハンバーガーショップで食事をとっていると、小さな女の子が誤って牛乳パックを落としてしまい、牛乳が直樹にかかってしまう。

すると、直樹はトイレに駆け込み、吐いてしまった。

 

それからも直樹の症状は悪化し、部屋から出てこない時間が増す一方。

とうとう辛抱できなくなった母親は、直樹が寝ている間に部屋に入り、彼の髪の毛を不格好に切った。

 

そうすれば散髪でも行くだろうと軽く考えていたが、直樹は起きると狂ったように叫び、母親を拒絶した。

しかし翌日、突然、直樹はお風呂場で丸坊主にして、爪なども清潔にし始めた。

 

性格も明るくなっていてその変化を母親は喜んだ。

直樹はコンビニ行くと言って家を出て行ったが、その数十分後、コンビニから電話で呼び出される。

 

行くと、直樹が商品に自分の血液をつけてまわっていたとのこと。

訳の分からない母親は、汚れた商品を全て買い取って、直樹と家路につく。

 

そして帰り道、ついに直樹は自分がHIVに感染していること、実は愛美は気を失っていただけで、自分がプールに落として殺害したことを告白する。

それまで信じていたものが全て崩れ去り、母親は直樹と共に自害することを決意する。

 

ここまで読み終え、聖美は直樹の本心を確認し、なんとかして彼を無罪にしたいと考えていた。

 

 

第四章 求道者

 

直樹の視点。

彼は母親のプレッシャーを毎日受け、心の逃げ場を失っていた。

 

そんなある日、あまり話したことのない修哉に誘われ、彼の作った道具で悪いことをした人を懲らしめることになった。

直樹は教師の戸倉や森口の名前を出すが、修哉の反応はいまいち。

 

嫌われたくない直樹は、そこで愛美を名前を出す。

すると、注目されたかった修哉はその意見を採用し、実行に移すことに。

 

直樹は張り切って作戦プランを考え、事件当日、愛美に接触する。

予定とは違うことを修哉が話すので焦ったが、予定通り、ポシェットを触らせて感電させることに成功した。

 

しかし、直樹の予想に反して、愛美は動かない。

ここにきてようやく事の重大さを理解する直樹。

 

しかし、修哉は得意げで、みんなに言いふらしていいとまで言う。

共犯者になることを恐れた直樹は、自分だけしか知らないポシェットをフェンスの外に放り投げ、事故死に見せかけるために愛美をプールに落とそうとする。

 

すると、気が付いた愛美と目が合う。

しかし直樹は、あの修哉が失敗した殺人に成功したいとい欲求に駆られ、そのまま愛美をプールに落として殺害した。

 

事件は事故死とされ、修哉に対する優越感も満たされ、直樹は得意げだった。

ところが、森口に真相がバレて、絶対絶命のピンチかと思われたが、森口はこのことを警察に話すつもりはないといい、直樹はピンチを脱したかのように思えた。

 

しかし、ホームルームで名前をぼかしたとはいえ森口によって事件の真相が告白されてしまい、もう学校にいることはできなくなり、不登校が始まった。

絶望に立たされた直樹にとって、家族にHIVを感染させないことが唯一の使命になっていた。

 

いつしか彼は、そんな日々が続くことを望むようになっていた。

ところが、病院の帰り道のハンバーガーショップの出来事によって、その親子が森口と愛美に見えてしまい、さらなる絶望にさらされる。

 

それ以来、寺田と美月がきても、監視されているような錯覚に陥るようになった。

それからは、髪が伸びたり垢がたまることで生を実感するようになり、不衛生な生活を送るようになってしまう。

 

その後、母親が髪の毛を切り落としたことで生が失われたと感じ取り乱すが、それでも死なない現状に疑問を抱き、思い切って髪の毛を全て刈り、垢も全て落とし、爪も切る。

彼はそれを、生を失って自分がゾンビになったのだと感じていた。

 

数か月前に見たゾンビ映画を思い出し、仲間を増やしたら面白いなどと考え、コンビニで自分の血を商品につけて回った。

しかし、ゾンビになっても受け入れてくれた母親の愛情に感動し、彼は罪を償おうと考えるようになった。

 

自首しようと母親に真相を打ち明けるが、彼女はそんな彼をもう受け入れてくれなかった。

一緒に死のうと包丁を持ち出す母親に、それでもいいかと一瞬思った直樹。

 

しかし、母親の顔に浮かぶ哀れみの表情に豹変。

逆に母親の持っていた包丁で彼女を刺してしまう。

 

その後、病院でこれまでのシーンを思い出してる直樹。

彼はショックで記憶喪失のような状態になっていた。

 

姉の聖美がお見舞いに来ている中、頭の映像に出てくる直樹が自分だとは認識できず、彼はいまも母親が生きていて、学校に行こうなどと考えていた。

 

 

 

第五章 心奉者

 

修哉の視点。

彼は遺書を残していた。

 

彼は学校の体育館ステージ中央の演題の中に爆弾を設置して、二学期の始業式で、自分が表彰されるタイミングで起動させてやろうと考えていた。

 

彼の母親は優秀な人間だったが、結婚を機に夢を諦めるはめになり、直樹はそのことをいつも聞かされて育った。

直樹もまた、母親の期待に応えられるよう努力していた。

 

そんなある日、母親は子育て中に書いた論文がきっかけで離婚を決め、修哉のもとを離れていった。

修哉にとって、耐えられないほどの悲しみだったが、最後の幸せを糧に再会を誓う。

 

翌年、父親は同級生だった美由紀と再婚する。

その後、子供が生まれたが、この家族の中に修哉の居場所はどこにもなかった。

 

修哉は成果を上げれば母親が見つけてくれると考え、自分のサイトを作ってそこに研究結果を挙げていった。

しかし、母親らしき人は誰も来ず、おかしな人間のたまり場となっていた。

 

そこで方法を変え、コンクールにびっくり財布で応募し、見事特別賞を受賞。

しかも、審査員の一人が母親と同じ大学の所属で、これで話が母親に伝わると思った。

 

しかし、世の中は『ルナシー事件』で溢れかえり、誰も修哉の研究のことなど話題にしなかった。

ここで注目されるためには、それ以上の犯罪を犯すしかないという発想に至る。

 

修哉は犯行の目撃者として直樹を選び、愛美を手にかける。

しかし、後でポシェットでは死ななかったこと、直樹がプールに落として殺したことを知り、計画が失敗したことで激しく動揺した。

 

森口が事件の真相に気が付いたことで、一度は救われたと思ったが、真相を警察に話すつもりはないと分かると、再び絶望に落とされる。

しかし、桜宮の血液によって自分がHIVに感染したことを知ると、態度を一変。重病にかかったことで、心配して母親が会いに来やすくなったと喜んだ。

 

彼にとって学校での嫌がらせなど何でもなかった。

彼は検査を受け、その結果を喜んで開けたが、結果は陰性だった。

 

またそこで、美月とキスの騒動があり、彼女と会うようになった。

修哉は、美月が薬局で薬品を注文して断られているところを見て、それ以来、彼女に興味を持っていた。

 

しかし、想定外に美月が愚かだった。

彼女は『ルナシー』がもう一人の自分であると主張し、事件を起こすことを望んでいた。

 

そして、修哉と直樹を同列に扱ったことで修哉は我慢できなくなり、彼女を馬鹿にする。

しかし、美月は修哉をマザコンであると馬鹿にし、結果として、修哉に首を絞められて殺害されてしまう。

 

美月の死体は、研究室の大型冷蔵庫にしまってある。

そして、爆弾は彼女が用意した薬品で作ったものだった。

 

遺書の三日前、修哉は母親に会いにK大学に向かい、そこで審査員をした瀬口と出会い、話すことに。

しかし、そこで彼が母親と再婚したことを知り、母親に抱いていた幻想が打ち砕かれる。

 

瀬口は修哉が妻の子供だと気が付いたようだったが、その後も母親からの連絡はない。

修哉は遺書を自分のサイトに載せ、爆弾のスイッチを押す。

 

しかし、爆弾は起動せず、携帯電話には非通知で着信が入っていた。

 

 

第六章 伝道者

 

電話の相手は、森口だった。

彼女は、今は亡き桜宮の忠告を無視し、今も復讐にとりつかれていた。

 

血液に関しては、彼女は実際に牛乳に混ぜていたが、桜宮がそれを別のものにすり替えることで事なきを得ていたのだ。

そして、森口は桜宮の教え子である寺田と知り合いであり、彼から逐一情報を入れていたのだ。

 

森口はアドバイスと称して寺田を誘導し、直樹を追い詰めることに成功した。

そして修哉に対して、森口は自分の手を下す覚悟をしていた。

 

すでに美月のことは通報済みで、もうすぐ警察がやってくることを伝える。

しかし、それでも修哉が反省しないことを見越していた森口は、爆弾を解除したあと、ある場所に設置していた。

 

それは、修哉の母親のいるK大学の第三研究室だった。

修哉の手で起動した爆弾はちゃんと爆発し、大学にはたくさんのパトカーや消防車が集まろうとしていた。

 

「ねえ、渡辺くん。これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。

最後に僕の個人的な感想を書かせていただきます。

 

設定にちょっと無理があるなとは思いました。

しかし、そんなことは些末なことであり、最後の一文まで読むものを引き込む文章は、まさしく傑作でした。

 

ラストについては考えるところもあるにはありますが、この放り出されたような結末に、僕は少なくとも納得しました。

きっとこれ以上続けたところで、憎しみの連鎖が続くのかなと思うと、ここで止めてしまって良かったと思います。

 

反省するも良し。これを新たな復讐の始まりにするも良し。

予想として、母親を心の拠り所にしていた修哉には、これ以上何かをしようという気力が起きないのではないかと思います。あくまで母親に見つけてほしいという気持ちが原動力なので。

 

ということで。

この記事は以上です。

 

湊さんの作品はまだまだありますので、これから読むのが楽しみです。

そして、それを記事にし、誰かのお役に立てれば幸いです。

 

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

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