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『恋は雨上がりのように 9巻』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

恋は雨上がりのように(9) (ビッグコミックス)

 

17歳。鋭く真っ直ぐな恋。『恋雨』最新刊

クリスマス前にマフラーを編み上げ、
吉澤に想いを伝えたユイ。
その結果を知らぬまま、あきらは…!

季節が巡り、人も、場所も巡りゆく中で、
店長が手にするもの、
そしてあきらが見つめる瞳の先にあるものは――?
【編集担当からのおすすめ情報】
アニメ『恋雨』2018年1月放送決定!
『マンガ大賞 2016』第7位!
『このマンガがすごい!2016』(宝島社)オトコ編 第4位!
年齢・性別を超え、圧倒的な支持を受ける
眩いほどに純粋な 正統派ラブストーリー 待望の最新刊!!

【Amazon内容紹介より】

 

数々の賞にランクインし、アニメも放送されて乗りに乗っている本作。
僕もずっと気になっていて、ついこの間ようやく全巻買いましたので、現時点での最新巻について記事にしたいと思います。

 

設定としてはそこまで珍しくないのですが、登場人物たちそれぞれの葛藤がよく描かれていて、店長とあきらだけではないところが本作の良いところです。
それから空、雨、風といった風情のある描写が良いですよね。

 

若い人からしたら自分たちは本作で描かれる青春真っただ中だし、大人からしたらこんな時代を懐かしむ一方で、店長のように心の奥底に青春が秘められているのではないでしょうか。
そういう意味からも、幅広い年代に訴えかける作品になっています。

 

9巻でもともえが、読んだ年齢によって作品に対する感じ方はきっと違うと言っていて、まさしくその通りだなと思いました。
僕はちょうど店長とあきらの中間の年齢になるので、店長ほど臆病ではない、でもあきらほどまっすぐでないという、どちらにも心を揺さぶられてしまい、いつも自分だったらと考えてしまいます。

 

もう少しおじさんになってから読み返すのも楽しそうですよね。

 

まあ、前置きはこれくらいにして、この記事では最新9巻の各話のあらすじ、感想などを書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 


第65話

 

クリスマスイブ、あきらとはるか、あきらの叔母であるともえは全国高等学校駅伝競争大会を見に京都へ向かいます。
新幹線の車内、ともえはちひろの小説を読んでいます。

 

京都に到着。
興味がないともえは別行動をとり、あきらとはるかは駅伝を観戦します。

 

そこでふとはるかは、あきらも陸上が好きでしょ? と問いかけます。
うん、好きだよと答えるあきらですが、はるかの脳裏には山本の「才能あるヤツはそれだけじゃだめなんだろうな…」という言葉が蘇ります。


好きだけじゃだめなの? と質問しますが、別の大きな声によって遮られてしまいます。

そちらを見ると、みずきと地元の友人たちがいて、目が合います。


みずきは真っ先に驚き、なぜ京都にいるのかとパニック状態。

勢いに乗って、この間見せた走りが実力ではない、競技場で一緒に走る時は全力を出すと意気込みますが、あきらが復帰する前提で話すみずきに、はるかはそこまで強く思えない自分に複雑な気持ちを抱きます。


暴走するみずきを友人たちが止め、強制的に退場。同時にあきらたちの前で次の走者へバトンタッチされます。

観戦が終わるとともえと合流。


京都観光を楽しみ、宿でお風呂に三人で入ります。

ともえはサウナに向かい、二人きりになると、はるかはクリスマスなのにここにいていいのか、編んでたマフラーはクリスマスに誰かに渡すためじゃないのかとあきらに聞きます。


それに対しあきらは、本当に渡していいのかと迷っている様子。

そして、昼間聞きそびれてしまった話をもう一度切り出すはるかですが、しばらく二人は無言になり、気が付けば二人揃ってのぼせてしまい、ともえに介抱されるはめになってしまいました。


そして最後の一コマ。

あきらは店長に写真付きでメールを送りましたが、ガラケーのため写真が見られない店長が描かれています。

 


第66話

 

花の一区と同じコースを走るといい、一人で行ってしまうはるか。
あきらとともえはカフェに入り、あきらはともえが新幹線で読んでいたちひろの小説を借りて読んでいます。

 

半分読み終わったあきらに、ともえは大人になって読んだ時に感じるものは今ときっと違うと話し、あきらは苦しかったり辛かったりすることもそうなのかと聞きます。
ともえはそうだと答え、大人になればそういった感情も懐かしくて愛おしくなる、今は分からなくてもと話します。

 

その言い方にあきらは店長を思い出していました。

 

場面は変わり、西田家。
姉のマイが妹のユイの部屋をノックしますが、返事がありません。

 

中に入ると、ユイはベッドの上でぬいぐるみに顔をうずめていました。
貸していたバッグを返してもらおうとクローゼットの中を探すマイ。すると、そこには吉澤に渡せなかったマフラーが入っていて、すぐに事情を察します。

 

マイはユイに美容師に本当になりたいのかと問い、なりたいなら失恋くらいでくよくよするなと叱咤します。
どんなに悲しくても、お客様を笑顔にするのが美容師なんだと。

 

そして、美容師にとって個性は大事であり、今のままでユイは魅力的だと伝えます。
するとユイは顔を上げて涙を流しますが、それをぬぐい、決意を秘めた表情を見せます。

 

後日、ガーデンにて。
ユイに送ったラインに既読がつかないことを気にするあきらですが、ユイが出勤してくるなり驚きます。

 

癖っ毛はそのままですが、ショートカットになっていたのです。
ユイは日曜日に吉澤にフラれたことをあきらに報告しますが、髪を切ってもらって元気になれたと話し、絶対に美容師になるんだと改めて宣言します。

 

頷くあきらですが、その表情は複雑です。
しかし、進んだ以上、もう前に進むしかありません。

 


第67話

 

ガーデンへの通勤途中、公園で青空を見上げるあきら。
頭の中で、はるかとユイの言葉が蘇ります。

 

ガーデンに着くと、店長が出迎え、あきらがお土産で買ってきた八つ橋を食べているところでした。
店長の顔を見て気が緩んだのか、店長の胸に飛び込むあきら。店長はこれを優しく受け止めます。

 

しかし、それは妄想であり、実際はそうしたいのに動けないあきら。
京都旅行について少し会話しますが、途中で大塚が割り込んできたことで会話が途切れ、あきらは続きを諦め、仕事に移ります。

 

休憩に入ると、個別のおみやげとして店長に栞を渡すあきら。
プレゼントは迷惑じゃないかという質問に、全然と不思議そうに答える店長。あきらの脳裏に編んだマフラーが浮かびます。

 

栞に描かれたつばめの絵から、久保が巣立った後のつばめの巣を壊したという話を店長がしたので、あきらは窓からつばめの巣があった場所を眺めます。

もし仲間と巣立てなかったら、そのつばめはどうなるのか。


あきらは窓の外を見たまま店長に訊きます。

店長は穏やかな表情で、巣立てなくてもそこに留まって、仲間を忘れて得られる幸せもあると答えます。


しかし、巣立てなかった理由が『諦め』であれば、後悔して毎日、空を見上げることになるとも話します。

その時の店長の表情は冷たく、何かを考えている様子でした。


すぐにいつもの優しい表情に戻りますが、あきらの表情は曇ったままでした。

自宅に戻り、あきらからもらったしおりを眺める店長。


その夜、真剣な表情で店長は小説の執筆作業に没頭します。

 

 

 

第68話

 

執筆中、咥えたタバコの燃えカスが原稿用紙に落ちてしまい、穴が空いてしまいます。
天井の明かりに透かすと、穴から光が差し込み、店長はそれを見つめます。

 

そのまま朝になってしまい、目の下に隈を作りながら出勤します。
店長は、今日は本社に用事があり、戻るのは夜になるという。

 

店長を見送るあきら。
寝不足に見えるが、どこか楽しそうにも見えます。

 

場面は変わり、店内の押しボタンが何度も押され、慌ててオーダーを取りに向かうユイ。
すると、そこにいたのはちひろで、店長を読んでほしいとのこと。


どうやら店長がメールしようとしていた『橘あきら』を探しにきたようです。

年齢的に久保のことかと思ったが違い、思い切ってユイに「橘あきらくんっている?」と聞きますが、あきらは女性だから違うと思い、いませんと答えます。


当ての外れたちひろは帰ろうとレジに向かいますが、お会計の最中、『ちゃん』ならいますとユイはあきらを呼びます。

まさか相手が女性だと思っておらず、狼狽えるちひろ。


年齢を聞くと17歳だと返ってきて度肝を抜かれます。

場面は変わり、出版社の謝恩会に参加するちひろですが、あきらのことが頭から離れません。


つまらないから帰ろうとするちひろですが、出版社の人間に止められ、今大人気の町田すいを紹介したいとその人物の元へちひろを連れていきます。

しかし、なんと町田すいは17歳の男子高校生だったのです。


またしても驚かされるちひろ。

 

場面は変わり、夜、店長がガーデンンに戻ると、ちひろが訪ねてきたことが知らされ、そこでスタッフは初めて店長とちひろが早稲田大学の同期であることを知らされます。
加瀬は店長の学歴に驚き、吉澤に良い大学に入るだけではだめで、その先のことも考えるよう強くアドバイスします。

 

一方店長は、ちひろとあきらが話したのではないかと不安になります。

 

 

第69話

 

ある日、店長にちひろと何か話したかとたずねられ、特に何もと答えるあきら。
安心した店長は、勇斗を預けて銀行に行くと外出します。

 

食後、あきらと勇斗は糸電話で話すことになり、チャンスとばかりに店長の誕生日を聞き出そうとするあきら。
勇斗は知らないようで困ってしまいますが、戻ってきた店長が1月5日だと糸電話越しに教えてくれます。

 

あきらも自分は6月21日ですと返すと、雨の多い季節に生まれたんだねと事務所に入ってくる店長。


自宅に戻ると、手帳に店長の誕生日を書き入れ浮かれるあきらですが、どうしても本社に向かうときの店長の楽しそうな後ろ姿が気になって仕方ありませんでした。

 

場面は変わり、店長は相変わらず真剣に執筆作業をしています。

 

別の日、また店長と糸電話で話すあきらですが、楽しそうな店長の姿に、あきらは寂しさを覚えていました。
何か夢中になれるものを見つけて、自分から離れてしまいそうな予感をしているのかもしれません。

 

 

第70話

 

ちひろはプライベートで町田すいと会うことになりました。
いい店があるとすいがちひろを連れて行ったのは、ファミレスでした。

 

作業してても追い出されないから良い店だと話すすいは、突然、ちひろの小説が好きで、全部読んだと熱弁します。
照れ隠しにそっぽ向くちひろですが、満更でもない様子。

 

ふとあきらのことを思い出し、同級生で45歳のオジサンと付き合っている女子高生はいないかとたずねますが、すいは男子校で、そういった恋愛事とは無縁の環境にいました。
すいは無邪気に将来何になりたいかと質問し、ちひろを驚かせます。

 

彼には小説家以外にもなりたいものがたくさんあり、時間が足りないと言います。
ちひろは小説以外にやりたいことはないが、それでも時間が足りないととある本の一節を引用します。

 

すると、すいはすぐに『山月記』からだと理解し、逆に『アデン・アラビア』の一節を引用して対抗してきます。
すいは45年間、小説に打ち込むちひろを美しいと評し、ちひろは改めて17歳の持つ感性に感心させられます。

 

すい君はさァ~、と話し掛けるちひろですが、ペンネームで呼ばれるのは恥ずかしいから本名で読んでほしいというすい。
彼の名前は、翠と書いて偶然にも『あきら』と読むのだという。

 

この偶然が決め手となり、ちひろは翠のことが気に入りました。

 

場面は変わり、諸星整骨院。
診察が終わった後、あきらは看護師からとあるものを渡されます。

 

さらに場面は変わり、自宅で執筆している店長のもとに、ちひろがニヤニヤしながらやってきます。
嫌な予感がした店長は外で話そうと、缶コーヒーを片手に話すことに。

 

そこで実はちひろとあきらが話していたことを知り、焦る店長。
しかし、ちひろも翠のパワーにあてられ、さらに高く翔びたいと思うようになっていました。

 

詳細を聞こうとしますが、こっちのあきらのはなし~と説明してくれないちひろ。
店長の頭には、ますます疑問符が浮かびます。

 

最後に場面が変わり、ベッドで横になるあきら。
さっき看護師から渡されたのは、リハビリに関する資料でした。

 

 

 

第71話

 

一年前の回想。
陸上部に向かうあきらとはるか。

 

描写には、当時からはるかのことを気にする山本や、西澤もいます。
炎天下の外周ランニング中、冷たくなるものを言い合っている二人に先輩から注意が入り、短距離組のあきらは先に引き返します。

 

高いところから街並みを眺め、その様子を『夏が流れてく』と表現するあきら。
部活後、二人は駄菓子屋? でかき氷を食べますが、疲れたのか眠い様子のあきら。

 

ランニング中の二人の掛け声でどうしても食べたくなったと、二人の先輩もやってきます。
しかし、その時にはあきらは寝てしまっていました。

 

リハビリというワードが出て来たので、過去の陸上に関する楽しい思い出がここに挿入されたのだと思います。

 

 

第72話

 

前以上に良く働くユイに対し、西澤はまだ振ったことを引きずっている様子。

場面は変わり、レストランで食事する店長と勇斗。


勇斗がかけっこで一位になったことを褒める店長に、勇斗はあきらのおかげだといいます。

会計後、傘の置いてあるフロアに立ち寄った店長。


何か思うところがある様子。

 

場面が変わり、自宅に戻ったユイ。
バイトは順調な様子だが、姉のマイが言いにくそうに何かを言います。

 

再びガーデンの戻り、ユイがバイトしていることが学校にバレ、バイトを辞めなければならないことになってしまいました。
みんな驚いたりしている中、西澤も何か思うことがある様子でした。


バイト中、あきらは整骨院の先生の言葉を思い出していました。
リハビリは一日でも早く始めた方が良いし、今始めれば来年の春には入れるようになる。だからもう一度考えてほしいと。

 

陸上に対する情熱がなくなったわけではないが、今のガーデンでのバイトも楽しい。
しかし、店長の心境の変化やユイが辞めることなど重なり、あきらはまだ心の整理がつかずにいます。

 

すると、小さな女の子が忘れ物だとあきらにスマホを渡してくれます。
急いで店の外に出るあきら。しかし、やはり怪我した足を気にしていました。

 

すると、バスに乗ったミズキがたまたま通りがかり、あきらを見つけます。
あきらの表情、手に持ったスマホ、怪我した足を順番に見た後、乗客を押しのけて窓際に行くと、「走れ!!」と叫びます。

 

その言葉はあきらに届きますが、振り返った時にはバスはもう遠くまで行ってしまっていました。
雨の降る中、『もう一度よく考えてみて』という先生の言葉が、また蘇ります。

 

場面は変わりその夜、加瀬が帰宅すると、お酒を飲んでいる姉の珠子が出迎えました。

 

 

第73話

 

珠子がいるのはいつものことですが、彼氏にフラれたわけではないとのこと。

シャワーを浴び終えて部屋に戻ると、珠子が机に突っ伏して寝たような恰好をしています。


窓から降りしきる雨を眺める加瀬に、珠子は突然、ごめんね、ダメなお姉ちゃんだよねと謝ってきます。

何かと冗談かと思った加瀬ですが、もうここに来るのもやめるねという珠子の言葉に、苛立った様子を見せます。

 

大晦日、閉店後に毎年恒例の忘年会を行い、ユイの送別会も兼ねているから参加してほしいとみんなに促します。
そこに加瀬が出勤してきますが、いつもに増して不機嫌な様子。

 

大学進学後もここに戻ってくるつもりはないユイですが、最後の勤務に対しても寂しいとは思っておらず、不思議な気持ちだという。
あきらはユイとの最後のバイトを楽しもうと、胸がときめくもの言い合いっこを提案し、女子高生二人の微笑ましい時間が流れます。

 

お客さんがはけると、忘年会がスタート。
意外にもユイがいなくなって寂しいとこぼす久保ですが、年明けのカウントダウンが一分を切ったところで、加瀬が「本当は彼氏ができないからやめるんじゃないの?」と当てつけのような言葉を吐きます。

 

年明けまで五秒前。
顔を赤くするユイ。西澤は加瀬に抗議しようとします。

 

しかし、カウントダウンがゼロを告げると同時にあきらが加瀬をグーで殴ります。
店長が忘年会にようやく参加すると、場は騒然としていました。

 

場面は変わり、元旦。
店長は自宅のアパートで執筆作業をしていました。

 

携帯が光っていますが、気が付きません。


同時刻、連絡に気が付いてもらえなかったあきらは雪が降りしきる中、家を飛び出し、店長の家に向かいます。

その手には紙袋が握られていて、中には編んだマフラーが入っていました。

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか。
怪我をしてあきらの心の拠り所になっていたガーデンに大きな変化がもたらされた話でした。

 

しかし、いつまでも同じでいるわけにはいかず、誰もが前に進まなければなりません。
店長しか見えてなかったあきらに再び『陸上』という選択肢が浮かんできて、大きく揺れ動く様子はなかなか苦しいものでした。

 

そして、ついにマフラーを店長に渡すことを決意するあきら。
それが物語をどう動かしていくのでしょうか?

 

告白をし、お互いに良い感情を持っていることは分かっているのに、巻を追うごとにそれぞれの事情や環境が二人の距離を遠ざけようとする現状において、良い方向へと導く一手になると良いのですが。
店長が本格的に執筆を再開したので、それが今後のカギを握っているのではないかと予想しています。

 

あと、この巻ではともえ、マイといった年上の脇役が良い味を出していて、個人的にはとても良かったです。
次回も活躍があるのでしょうか?

 

期待せずにはいられない10巻。
発売する前に、アニメなどもチェックするのはいかがでしょうか?

 

恋は雨上がりのように(9) (ビッグコミックス)

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10巻はこちら。

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