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「図書館で文庫本の貸し出しが中止になる?」

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図書館利用者にとって、驚くべきニュースが飛び込んできました。

なんと『週刊文春』でお馴染みの文藝春秋・松井清人社長が「図書館で文庫本を貸し出さないで」と、とんでも発言をしたのです。

 

詳細は以下の記事より。

nlab.itmedia.co.jp

 

 

本の好きな人は今の出版業界の実情を理解し、本を買いましょうね

 

要約ですが、大体の主張はこんな感じです。

この言葉、消費者が言うのであれば、一つの意見としてアリだと思うんですけど、出版側が言うのってすごい違和感ありますよね。

 

だって、出版業界は消費者に対して、購買意欲をそそられるような取り組みは何もせず、ただ買ってくださいと図々しく言っているわけですから。

消費者を舐めているとしか思えない発言です。

 

そもそも、文庫本の貸し出しなんて僕が小学生くらいの頃(1990年代後半)、それ以前からやっているわけですから、売り上げ低迷の理由を図書館に求めるなんてどうかしています。

おそらく他に打つ手がないからそこに狙いを定めたのでしょうが、逆に図書館からの売り上げが落ち込むだけで、一般の方の消費は増えないような気がします。

 

図書館を利用する方といえば、学生や高齢者が多いと思うのですが、学生であれば買いたくてもお小遣いに限度がありますし、高齢者は年金で暮らしている人も多いと思うので、あと何年お金が必要かも分からないのに、むやみやたらに本を買う余裕なんてないはずです。

それは松井社長も理解しているようで、こんな発言もしています。

 

 

——発言後、図書館利用者からの反響はどうですか。

 

【松井】年金生活者の方から会社に抗議の電話がかかってきました。私が受けた3人の方の1人からは「金のない高齢者に本を読むなということか」と言われました。図書館利用者に年金生活者が多いのはわかりますが、でも本が好きな方であれば、出版業界の実績をきちんと話せば理解してくれます。文庫本の元になった単行本の貸し出し中止や、文庫本を図書館に置かないようお願いしているわけではありません。

 

 

そもそも娯楽品の部類なのに、生活費を削ってまで読むわけがない。

実績をきちんと話せば理解してくれるって、売り上げが落ちているのは娯楽の多様性など理由があるわけで、業界がその流れに合わせるべきじゃないかと思います。

 

それができないのは、今まで勝手に売れていく状況にあぐらをかいていたツケであり、それを消費者の責任転嫁するのはありえないことです。

値段だって、出版から流通に至るまで多くの利権が絡んでいるからあの値段なわけで、もっと価格を下げる努力をするべきです。

 

それが出来ないから、古本や図書館のようにシェアする形が支持されているのではないでしょうか。

個人的には、作家さんたちにしっかりと還元してほしいので購入しますが、JASRACの件もありますので、十分な金額が支払われているのかも疑問です。

 

あと、文庫本を図書館に置かないようお願いしているわけではありません、という発言。

どういう意味ですかね?

 

置いてもいいけど、貸し出しはダメってことでしょうか?

それをする意味が分からない。

 

図書館にある本を通じて本が好きになる人がたくさんいるわけで、自分もその一人でした。

江戸川乱歩の少年探偵団シリーズなんて、小学生の頃から買ってたらとてもお金が足りず、絶対に本を好きになることなんてありませんでした。

 

そういう若い芽を摘んでまで目の前の利益に執着して、彼らは次の世代のことなんて考えていないのです。

書籍の未来は、果たしてどうなるのでしょうか。

 

 

 

「売れる本」ではなく「読みたい本」を

 

これが僕の一番の要望です。

最近、本屋の陳列棚を眺めていると、似たような設定やタイトルの本がびっくりするくらい多いです。

 

タイトルを出すと色々な人に迷惑がかかってしまうので伏せますが、喫茶店、図書館(本屋)、幽霊、このあたり多すぎじゃないですか?

もちろん名作もたくさんありますので一概には言えませんが、そのブームに乗っかっておけばいいやくらいの感覚で出すのは避けてほしいというのが本音です。

 

マーケティングが重要なのは重々承知していますが、そんな本が後世まで語り継がれるのでしょうか?

そんな本よりも、編集者の方々が見つけた原石たちを、魅力そのままに読者に届ける方が大事なんじゃないでしょうか?

 

中身だけで売れる時代じゃないと分かりつつも、読者だって決して馬鹿ではありません。

ちゃんとした内容には、ちゃんとした評価がつきます。

 

この逆境だからこそ、改めて本の可能性を僕たちに示してほしいなと、今回のニュースを見て思いました。

 

あと、小説家の卵からではなく、小説家を目指したいという未経験者の段階から育成を手掛けるというのはどうでしょうか?

出版社ごとの作風もあるので、そういった色に初めから染めてしまうのもどうかなと思う一方で、ちゃんとした基礎を学ぶことで将来を期待される作家さんが誕生するかもしれません。

 

色々と好き勝手に書いてしまい、申し訳ありません。

しかし、これからの出版業界のさらなる発展を願い、このような記事を書かせていただきました。

 

あと、今回の発言は業界としての総意ではありません。

あくまでこういう趣旨の発言があったということだけで、この意見に否定的な団体も多く存在しますので、行方をしばらく見守りたいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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