百本文庫~夜更かしのお供に~

つい夜更かししてしまう本を紹介しています。

『化石少女』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

化石少女 (徳間文庫)

 

 

 

学園の一角にそびえる白壁には、日が傾くと部活に励む生徒らの影が映った。そしてある宵、壁は映し出す、禍々しい場面を…。京都の名門高校に続発する怪事件。挑むは化石オタクにして、極めつきの劣等生・神舞まりあ。哀れ、お供にされた一年生男子と繰り広げる奇天烈推理の数々。いったい事件の解決はどうなってしまうのか?ミステリ界の鬼才がまたまた生み出した、とんでも探偵!

 【「BOOK」データベースより】

 

 

著者はドラマ『貴族探偵』などで話題に

 

僕はこの方の本を読むのが初めてなのですが、2017年に嵐の相葉雅紀さん主演でドラマ化された『貴族探偵』でお茶の間に浸透し、それ以前から数々の名作(または問題作?)を生みだし、絶大な支持を得ています。

 

 

麻耶雄嵩さんの作品未読の方は注意

 

まさしく私でした。

注意というか、心構えですね。

 

何も知らずに本作を彼の入門書として手にとりましたが、実のところ、複雑な気持ちでいます。

というのも、彼の作品には、彼の読者だけが分かっている独特な仕掛けや雰囲気があり、それに慣れていないと、途中で面白さに気付けずに挫けてしまう可能性があるからです。

 

僕も、真相をほっぽらかして何がミステリーだ! と途中で読むのを止めそうになりましたが、ネットで調べてみると最後にオチが待っているということで最後まで踏ん張り、結果として本作の意図するところを理解しました。

 

まあ、途中から残りのページ数的にそれしかないよなと予想していたオチそのままだったので、物足りない気がしなくもありませんが、その予想を得るまでが楽しいので文句はありません。

 

 

 

事件の真相(ネタバレ) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずばり申し上げますと、神舞まりあが披露し、桑島彰が必死に否定してきた数々の推理こそ真実だったのです。

実際に彰が確認したのは「第四章 自動車墓場」の事件のみで、あとはおそらくそうだろうということですが、彰による馬場の殺害もおしいところまで推理されているので、その卓越した推理力はもはや疑う余地もありません。

 

彰がまりあの推理力に疑問を覚えたのは馬場の事件の時で、馬場が用意したトリックを自分の手で実行しただけなので、まりあの推理が合っているのかどうかは確認できます。

もう少しのところで犯人が彰であるという事実に辿り着きそうだったからこそ、必死でその推理を否定する必要があったのです。

 

それまではまりあが迷惑をかけないように、または古生物部が廃部にならないようにまりあの推理を否定してきましたが、生徒会の渚に想いを寄せていたからこそという個人的な部分もありました。

しかし、それらは全て事実であり、真実は以下の通りでした。

 

赤色が犯人、青色が被害者。

 

 

第一章 古生物部、推理する

 

中島智和福井京介を殺害

 

第二章 真実の壁

 

小本英樹弥生信子を殺害

 

第三章 移行殺人

 

笹島生人八瀬鞍馬を殺害

 

第四章 自動車墓場

 

稲永渚富井譲治を殺害

 

第五章 幽霊クラブ

 

野跡倭文代浦田信彦を殺害

 

第六章 赤と黒

 

桑島彰馬場広道を殺害

 

 

この話のうまいところは、まりあが生徒会の面々に不満を抱いていて、犯人を彼らと決めつけた上で論理を組み立てるという無茶苦茶なところです。

そのため、読者は彰と同じでまた馬鹿言ってるよ、とすぐにその可能性を否定してしまうところです。

 

しかし、彰の否定が章を追うごとに弱くなっていき、もしかしたら当たっているのでは…?と居心地が悪くなっていき、最後にどんでん返しが待っています。

“赤点探偵(ホームズ)”と“腹黒ワトソン”なんて、実際笑えない組み合わせですよね。

 

これから先、彰は生涯をかけてまりあの推理を一人で聞き続け、それを否定しつづけなければなりません。

でないと、自分が馬場を殺した犯人だとまりあに気づかれてしまいますから。

 

赤点まみれだけど、実は推理能力に長けた探偵。

彰は彼女をいつまでも制御できるのでしょうか?

 

こうなってしまった以上、恋愛関係に発展するとも考えにくいですし、今の主従のような関係を続けていくのかもしれません。

まりあと自分の命を守るためとはいえ、彰の背負った業はとても重いものです。

 

 

と、ネタバレ感想は以上です。

ありきたりなミステリーに退屈しているという方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに、僕は次に『神様ゲーム』を読む予定です。

中古で買ったものの、ずっと未読本の山に埋もれてしまっているので、近いうちに読んでみようと思います。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)