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『ブラックナイトパレード 1巻』ネタバレ感想 中村光【著】

ブラックナイトパレード 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

今回ご紹介する本は、中村光さんの『ブラックナイトパレード 1巻』です。

中村さんといえば、『荒川アンダーザブリッジ』や「聖☆おにいさん」などで有名ですが、そんな彼女が2016年から『週刊ヤングジャンプ』で不定期連載をしているのが『ブラックナイトパレード』です。

 

中村さんの持ち味であるコメディ要素は控えめになり、けっこうシリアスな気配も漂っていて、どちらかというと『荒川アンダーザブリッジ』に近い作風になっています。

 

期待すべき彼女の新作。

早速紹介していきます。ネタバレになりますので、未読の方はご注意を!!

 

 

 

 

 

 

主人公はポーソン練馬北口店というコンビニで働く真面目な青年、日野三春。

彼は大学受験に失敗し、就活にも敗れ、気が付けば三年もコンビニの深夜のアルバイトをしていた。

 

一方、後輩の皇帝(カイザー)はちゃらい男で仕事も全くせず、廃棄弁当などを貪る日々。

しかし、彼は難なく就職を決め、おまけに可愛い彼女がバイト先に迎えにきて、無断で早退してクリスマスデート。

 

さらに追い打ちをかけるように、廃棄の食品を食べたと店長に疑われ、三春はとうとう切れてしまった。

真面目な三春は廃棄するふりをして初めてケーキを盗み、逃げるように帰路に着く。

それをポーソンの看板に腰かけている黒いサンタの格好をした男が見ていた。

 

アパートに戻ると若いカップルが部屋に入っていくのが見え、二人がいちゃいちゃするのに耐えられない三春は時間を潰そうとそのまま外をうろつくと、ホルモン焼きの屋台を見つけた。

そこには三春が廃棄品を盗んだ現場を見ていた黒いサンタの衣装に身を包んだ男がいて、一人でホルモンを焼いていた。

 

三春は一人酔いつぶれ、黒いサンタに向かって愚痴をこぼしまくるが、不意に黒いサンタが話し始めた。

本場のクリスマスにはサンタが二人いて、良い子の所には赤いサンタが来て、悪い子の所には黒いサンタがやってきて、石炭や獣の臓物をプレゼントする、それに石炭、と。

 

もっと悪い子には鞭、と鞭が三春の横を通って暖簾に打ち付けられる。

笑っていた三春も、そこで異変に気が付く。

 

黒いサンタは、三春の盗んだ廃棄のケーキを切り分けようかと言うが、賞味期限が切れているからと断ろうとする三春だが、上から水がこぼれてきて肩を濡らす。

 

屋台の軒上を見上げると、そこには大きな口からよだれを垂らす黒いサンタ以上のサイズの袋がいた。

黒いサンタはさっきの言葉を再度言い、もっと悪い子は……と言いかけるが、言い終える前に三春は大きな口を開けた袋に飲み込まれていた。

 

気が付くと、クリスマスの装飾が施されたベッドに寝ていて、部屋を出た先には黒いサンタが待っていた。

三春の二日酔いを心配するが、すぐに話の続きを始め、とっても悪い子は袋に詰めて攫われ、そして、赤いサンタクロースと良い子達のクリスマスのために働くんだ、と告げる。

 

おめでとう三春君。内定だ。今日から宜しく頼む。

 

月給は手取りで30万円。残業代・ボーナス・昇給あり。しかも寮住まいで、一日三食つき。 

三春は就職した。

 

最初は浮かれていたが、昨日のことは夢だったのかと確認すると、三春を食べた袋は食べたが歯形がつかないように優しくしたと証言し、これが現実のことであることを確認する。

逃げ出そうと部屋を出ようとする三春だが、ドアの先にいたのはここで働いている志乃と鉄平だった。

 

美男美女な二人に心を許しかけるが、どこかおかしい人だと怪しみ、頭を冷やすために外に出る。

なんと外は北極だった。

 

志乃からスマホを返されると、そこには店長の不在着信の数々、母からのメッセージが来ていて、SNSではカイザーが彼女とクリスマスデートで夜景をバックに食事している写真を投稿していた。

黒いサンタからはクリスマスの夜景役に戻るか、クリスマスの主役になるかと迫られる。

 

三春はというと、何を思ったか志乃と鉄平と写真を撮り、SNSに投稿。

海外で働くことになったとみんなに報告し、自分は夜景ではないと宣言し、気を失うのであった。

 

目が覚めると自宅だった。

あれは夢だったのかとホッとし、バイトに行く準備を始める三春だが、志乃と鉄平が迎えに来たことで唖然とし、カーテンをめくると外は北極だった。勝手に部屋は解約され、部屋の荷物も全て持ち込まれていたのだ。

 

テンパる三春。母からの電話にも思ってもいない良い言葉を並べテンパっていると、気が付けば建物の最上階に来ていた。

最上階の部屋には赤いサンタクロースの等身大人形があり、そこは袋の寝床だった。

 

逃げ出そうとする三春だが、サンタのベルトが三春を捕まえ、言いようのない安心感に包まれる。

そのすきをつかれて契約書にサインしてしまい、本当の社員となってしまう。

 

そこに黒いサンタもやってきて、赤いサンタは死んだこと、今の家長は自分であることを三春に告げる。

ここから三春のサンタとしての仕事が始まった。

 

まずは多くの手紙の中から悪い子を見つけると、大量の手紙に手を突っ込む黒いサンタ。

すると黒いサンタを避けるように手紙が散らばり、サンタの手には一通の手紙が残った。この手紙の送り主が悪い子だという。

 

黒いサンタの両手首には鎖がぶら下がっていて、それには赤いサンタの魔法がかけられていて、悪い子専門の自分が良い子に触れられないようにするためのものだという。

三春はその男の子の手紙を読む。手紙の内容はいい子そのもので、彼が悪い子なはずがないと確信する三春だが、それを確認しようと黒いサンタと一緒に暖炉の中にある階段を下りていく。

 

そこにいたのは志乃だった。

彼女はこの部署のエースなのだという。

 

そこはモニターがたくさん並んだ指令室のような部屋で、他の社員が機械を操作して手紙の主の居場所を特定していく。

人口衛星の映像、赤外線カメラを駆使して、その子が手紙の主であることを特定する。

 

少年は小テスト中にもかかわらず汗をかき、いかにも後ろめたそうな顔をしている。

志乃はしばらくモニタリングを続け、ついに少年がカンニングする瞬間を捉えることに成功した。

 

プライバシー侵害を訴える三春だが、そもそも人様の家の煙突から侵入するサンタに、今更プライバシーなどと開き直る黒いサンタ。

話にならないと部屋に戻ると、一人朝食をとる三春。

 

するとそこに鉄平がやってきて、三春を気遣っておにぎりと豚汁を振る舞ってくれた。

食事をとりながら研修DVDをつけると、赤い帽子の着ぐるみをかぶった男が楽しそうに血なまぐさい業務内容を説明し、突っ込む三春。

 

すっかり怯えてしまうが、志乃が迎えにきて否応なく午後の仕事が始まった。

向かったのは石炭という部署。悪い子へのプレゼント工場だという。

 

黒いサンタについていくと、そこには立派な工場があって、市販されているゲーム機なども作れるのだとすでに違法性を漂わせている。

そこの責任者というのが、さっきの研修DVDで業務内容を説明していた帽子さんだった。

 

しかし、DVDの明るい雰囲気は皆無で、親しみやすさゼロの声で使いものになるのかと三春を脅す。

怯える三春だが、もちろんだと黒いサンタはいい、実際の仕事風景を見学することになった。

 

プレゼントは妖精が作るのではと冗談を言う三春だが、それは冗談ではなく、本当に妖精(帽子さんのミニチュアサイズ)がいて、彼らが作っているのだという。

しかも帽子さんの着ぐるみは、妖精たちの親の生皮を剥いで作ったものであることが判明し、妖精たちは帽子さんを親だと勘違いし、彼の言う事しか信じないのだという。

 

帽子さんは今回のプレゼントの設計図を眺めると、それを空中にばらまく。

すると妖精たちはそれを食べ、苦しそうに震えだす。

 

ここじゃダメだと帽子さんが妖精たちをベルトコンベアに乗せると、妖精たちはう〇こをする要領でプレゼントを出していく。

しかし、本当に大変なのはこれからで、悪い子に欲しいものをプレゼントするわけにはいかないため、選ぶ必要があるのだという。

 

帽子さんはプレゼント選びをしている社員を急がせるが、子供役が限界で中断していることを告げられ、三春に変わるよう命じる。

連れていかれたのは、椅子が中央に置かれた部屋で、天井からは怪しい器具がぶら下がっている。

 

警戒する三春だが、問答無用で器具を頭にはめられ、プレゼント選びが始まる。

それは特定の子供になりきり、想定したプレゼントを上げた時、その子供はどれだけがっかりするのかを、子供役が体を張って体験するという過酷なものだった。

 

しかし、何度やってもがっかり指数が規定値まで届かず、ついに痺れを切らした三春はあるプレゼントを指定して再度シミュレーションを行う。

するとがっかり指数が規定値ぴったりに計測され、その才能で周囲を驚かせる。

 

そこで三春は才能を見出され、プレゼントを選ぶ部署(石炭課)に配属となった。

 

黒いサンタは三春の母と勝手に電話し、三春のコンビニは幹部候補育成施設だと嘘を並べ、三春の外側から埋めていく。

三春はまたしても母親にいい顔をしてしまい、勝手に追い込まれていくのであった。

 

ある日、黒いサンタであるクネヒトから、罪に応じた期間をここで働かないといけないことを告げられ、三春は窃盗で一年の服役?とのこと。

鉄平は二年くらいだが、何をしたかは不明。

終身雇用されるには、人を二、三人殺さないと無理だと言われる。

 

話の最中、志乃がとてつもなく太って現れた。

志乃は赤いサンタの制服が着たいと言い、三春はベルトに締め殺されそうだったと忠告するが、志乃の体が突如元に戻り、お腹がすいたといなくなってしまった。

 

鉄平いわく、ストレスを抑え込む時、膨大なカロリーを消費するらしい。

自分の言葉の何が志乃にストレスを与えたのか分からない三春は、鉄平の作ったケーキを志乃の部屋まで届けることにした。

 

部屋には誰もおらず、ベッドにはなぜか仏像が横たえられていた。

慌てて部屋を出ようとする三春だったが、トイレに入っていた志乃が戻ってきて遭遇。なんと彼女の髪の毛はヅラで、頭は僧侶よろしく剃り上げられていた。

 

三春は焦るが、志乃は気にせずケーキを食べる。

会話の中で、さらりと志乃の期限は十年ちょいであることが判明した。

 

以下、回想。

 

 

 

二年前のクリスマス。

志乃は恋愛禁止の仏教校の学生で、学年一の美女。

 

しかし、志乃の家は厳しく、クリスマスは禁止され、高校を出たら実家の寺を継ぐことになっていた。

そんな志乃にとって、唯一安らげる時間が木魚を叩いている時で、その間だけは母親は入ってこないと買ったクリスマスケーキを頬張り、ストレスから話せるようになった親友の仏像と恋バナに興じる。

 

しかし、うっかり木魚を叩く手を止めてしまい母親が入ってきてしまうが、機転をきかせて難を逃れる。

だが母親にラブレターを見られてしまい、高校卒業までは待てないと母親はつぶやく。

 

朝起きると、志乃の頭は剃られていて、それは母親がやったものだった。

志乃は本堂にこもり、泣きながら木魚を叩くが、暴れた拍子にろうそくが転倒、家はあっという間に火の海になってしまった。

 

死にかけるが、クネヒトが助けに入り、志乃は彼に抱き着くのだった。

 

回想が終わり、帽子さんとの会話。

三春は知らないが、赤いサンタのベルトに締められたということは、赤いサンタになる資格があるということが判明した。

 

 

内容は以上となります。

序盤ですが多くの謎が提示されていますので、ピックアップしたいと思います。

 

 

・赤いサンタ、クネヒトの正体は?

 

赤いサンタは物語開始時点ですでに死んでいます。ここに何か秘密がありそうですね。

またクネヒトは良い子に触れられないように鎖をされていますが、彼は誰で過去に何をしてしまったのでしょうか?

 

・ポーソン練馬北口店の謎

 

クネヒトは幹部候補育成施設と言っていますが、帽子さんもポーソン出の三春を評価し、志乃も三春をエリートだと称します。

ポーソンは、彼らとどう関係しているのでしょうか?

 

・鉄平の謎

 

何かしらの罪を犯すと連れてこられる場所ですが、鉄平の連れてこられた理由はまだ判明していません。

しかも三春よりも前にいて、あと二年ほどで服役を終えるとのこと。

 

人の三倍はお金がいると通常業務に加えてコック、自警団にも入っていますが、なぜそこまでお金が必要なんでしょうか?

気になります。

 

・三春の謎

 

最後に、赤いサンタのベルトに締め付けられた三春には、赤いサンタになる資格があることが分かりますが、それはどういう意味なんでしょうか?

そして、三春にも何か秘密がありそうです。

 

 

いかがだったでしょか?

始まったばかりですが、この後の展開からも目が離せません!

 

引き続き、考察していきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 2巻の感想はこちらです。

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