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『櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか』ネタバレ感想

 

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか (角川文庫)

 

 

 

 

 

今回ご紹介する本は、「櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか」です。

 

またシリーズものを途中からご紹介します。

そしてこれより前の巻は手元にありませんので、おそらく記事にはしません。ごめんなさい。

 

元々はエブリスタという日本最大の携帯小説(言い方が古い?)もとい小説・コミック投稿サイトで連載されていた作品で、2013年より角川文庫から刊行され、今作で13作目になります。

他の作品も同時並行で執筆されているので、けっこうなペースですね。

 

感想・ネタバレに入る前に、まずはあらすじを。

 

 

北海道・旭川。姿を消した幼子・いいちゃんと、友達の鴻上百合子を追って、櫻子さんと僕、正太郎は、ある場所に辿り着く。けれどようやく見つけた鴻上の言葉を聞き、僕は絶句した。「貴方のことが、世界で一番大嫌い」そして彼女は、僕にとっての絶対的な秘密を突きつけて……。(「わたしのおうちはどこですか」)ほか、ハロウィンのほろ苦だけど甘酸っぱい物語を収録。運命的バディ、櫻子と正太郎が贈る必読キャラミステリ。

【「BOOK」データベースより】

 

 

 

今回は最初からネタバレを含んでいるので、未読の方はご注意を!

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自分の手を汚さずに他人を操り、犯罪者に仕立て上げる花房。

彼が今回ターゲットにしたのは、正太郎の友人である鴻上でした。

 

実際は「燕の人」と名乗っていますが、手口から見ておそらく花房で間違いないでしょう。

「Phantom」と同じく、花房だと気づかせないための別称だと思います。

 

花房は誰でも彼でも犯罪に誘導するのではなく、心に闇を抱える相手を選びます。

鴻上は、まさに心に闇を抱える人物でした。

 

しかも、正太郎は鈍感で彼女のそんな心の動きに気がつくこともなく、むしろ櫻子さんを最優先してしまうことで逆に彼女を傷つけ、憎しみを増幅させ、それが今回自分に跳ね返ってきます。

 

このシリーズを読んでいていつも思うのですが、正太郎は無自覚ですが他人を傷つけてしまうことがよくあり、それを正太郎目線で見せられるのがけっこう苦痛です。

正義感が強いのはいいですが、結局問題を解決するのは櫻子さんであり、彼は彼女の手綱を握っているに過ぎません。しかも制御はできていない。

 

設定こそ違いますが、昨今のラノベのハーレムものの主人公が重なってしまい、どうしても好きになれません。

 

あとキャラミステリと言うだけあって、非常に多くのキャラが登場し、後の巻で出てくることも少なくありませんが、まあー覚えられません。

著者がしっかりと設定を作りこみ、愛情を注いで書いているのはよく分かるのですが、もう少しキャラを絞るか、分かりやすい特徴をつけないと読者が置いてけぼりになってしまう気がします。

 

あと売れていることもあって出版社としても長く続けたいというのは分かるのですが、本筋と関係ない話が間に多く挟まれ、せっかくの緊迫感が薄れてしまうのも残念です。

 

 

……なんだか批判ばかりで申し訳ありません(笑)

 

 

しかし、最初からずっと読み続けているのは、それ以上に良いところがあるからです。

 

キャラの件も、しっかりと作り込まれているからこそ読者も愛情を持ち、作品を大事にできるのです。

著者、読者、作品が一緒に成長していく作品ですね。

 

あと著者の太田さんが2012年まで北海道旭川市に住んでいたということで、彼女の実体験から来る北海道の四季折々の風景が美しく描写されていて、いつか自分も行きたいとつい想像してしまいます。

 

あとご飯がどれも美味しそう!(笑)

 

正太郎がグルメリポーター顔負けの感想をいつも披露しているので、北海道のグルメにはかなり詳しくなった気がします。

このシリーズで出てきた食べ物を順番に巡ってみるのも楽しいかもしれませんね。

 

ちなみに今回登場したものでは

 

・ザンギ(下味をつけた鶏肉を揚げた唐揚げ)

・ひよこプリン(旭川のエチュード洋菓子店で販売されているプリン)

・カボチャのパート・シュクレ

・サフォーク(ラム肉の品種)

・嵐山のハーブ豚

 

などなど、特に今回はハロウィンのスイーツフェスが舞台の話があるので、美味しそうなものが目白押しでした。

ここに書いていないものもたくさんあるので、ぜひ探してみてください。

 

 

ということで。

 

あまり内容には触れられませんでしたが、正太郎たちの関係は前のようには戻れず、でも確実に前へ進んでいます。

どうも明るい結末が待っているような感じはしませんが、それでも一読者として、しっかりと彼らの出す結末を受け止めたいと思います。

 

 

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか (角川文庫)

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか (角川文庫)